大谷“らしい”勧誘 12日ドジャースと由伸の交渉で「悔いのない決断をしてね」

2023年12月29日 02:30

野球

大谷“らしい”勧誘 12日ドジャースと由伸の交渉で「悔いのない決断をしてね」
17年9月、大谷(手前)を空振り三振に仕留める山本 Photo By スポニチ
 山本の心を動かしたのは、実に大谷らしい勧誘だった。
 12日にドジャースと山本の交渉に同席。「悔いのない決断をしてね。分からないことがあったら何でも聞いて」と言葉をかけた。3月のWBCで同僚だった2人は、大谷が山本の4歳年上。積極的に誘う言葉で選択の幅を狭めたり、決断を揺らがせたくなかった。山本は「大谷さんも気を使っていただいて、強く勧誘しないようにしてくださっていたと思う」と感謝した。

 過去にも似たケースがあった。花巻東で2番手投手だった小原大樹氏が、米球界挑戦に向けて大谷に環境面の違いなど質問すると「自分で感じた方がいい。俺から聞いたからどうとかはやめた方がいい」と助言した。「悔いのない決断」という大谷の言葉は、誰の言葉にも惑わされず、自分で考えるべきというメッセージだった。

 結果的に山本は「勝ちたい」という自身の思いに従い、同じド軍を選んだ。17年9月26日。オリックスの高卒新人だった山本と、当時日本ハムで同年オフにエンゼルスに移籍する大谷との最初で最後の対戦が実現した。最初の打席はスライダーで空振り三振を喫し、その後は中犠飛と中前打で雪辱した大谷は「今年対戦した中で一番いい投手」と称賛。その言葉はすぐにメディアに報じられ、ド軍関係者が山本への調査を本格的に開始した。

 積極的な勧誘は必要なかった。ドジャースと山本を最初に結んだきっかけが大谷だったことが、既に運命の始まりだった。(柳原 直之)

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