ヤクルト・久保拓真 コロナ禍のチーム救った左の救援 優勝にも貢献

2023年12月29日 05:45

野球

ヤクルト・久保拓真 コロナ禍のチーム救った左の救援 優勝にも貢献
ヤクルト・久保拓真 Photo By スポニチ
 今年も10月下旬に行われたドラフト会議で将来のプロ野球界を背負っていく有望株たちが指名されたが、一方で多くの選手がユニホームを脱ぎ、新しい人生をスタートさせる。去りゆく選手を2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。プロ生活の経験や思い出を胸に、新たな道へ進む野球人に、幸あれ。
 選ばれし者が歩むことができるプロ野球人生。5年間ではあるが学んだことは多い。久保は「諦めなければ結果はついてくる」ことを身をもって学んだ。

 18年ドラフト7位でヤクルトに入団した左腕。3年目の21年は1軍登板なしに終わったが、戦力外も覚悟して臨んだ昨季に存在を示す。7月にチームを新型コロナウイルスの集団感染が襲い、緊急昇格。「ここで結果を出さなかったら終わる」と2軍で地道に磨いてきたシュートを武器に、貴重な左の救援として1軍に定着した。優勝争いが佳境だった9月18日の阪神戦だ。1―0の8回1死一、二塁で打席には中野。二ゴロ併殺に打ち取り「大事な場面でしっかり左を抑える仕事を果たせた」と振り返る。何度もピンチを救い、同年は自己最多29試合で防御率2・70の好成績を残した。

 「優勝の瞬間に立ち会えてうれしかった。CSや日本シリーズのマウンドにも立てた」と久保。さらなる飛躍を目指した今季は5試合の登板に終わり、オフに戦力外通告を受けた。トライアウトを受けるも選手としてのオファーはなし。それでもパ・リーグを3連覇したオリックスから打撃投手のオファーが届いた。「苦しいことの方が多かったけど、いい経験をさせてもらった。今後もいろんな経験をして視野を広げたい」。打撃投手として、新たな人生に臨む。(青森 正宣)

 ◇久保 拓真(くぼ・たくま)1996年(平8)7月27日生まれ、佐賀県出身の27歳。自由ケ丘では2年夏に甲子園出場。九州共立大から18年ドラフト7位でヤクルト入団。通算成績は60試合で1勝1敗、防御率4.31。1メートル75、75キロ。左投げ左打ち。

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