楽天ドラ7・大内 被災地の故郷で誓った“優勝で恩返し” 新人8選手が東松島市訪問

2024年01月21日 05:25

野球

楽天ドラ7・大内 被災地の故郷で誓った“優勝で恩返し” 新人8選手が東松島市訪問
大内は自身で被災した東松島市赤井地区の震災時の写真パネルを見つめる(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 楽天の新人8選手が20日、東日本大震災の被災地である宮城県東松島市を訪れ、復興祈念公園の慰霊碑に献花するなどした。被災当時5歳だった同市出身のドラフト7位・大内誠弥投手(17=日本ウェルネス宮城)は、勇気を得た13年の日本一を振り返って「今度は返す立場」とプロでの恩返しを誓った。
 同期たちが離れていっても、しばらくその場に立ち尽くした。東松島市野蒜(のびる)地区の復興祈念公園内の慰霊碑。津波の高さと同じ3・7メートルのモニュメントの横には犠牲者の名が刻まれている。「自分の住んでいる地区でもこれだけの方が亡くなっている…」。改めて被害の大きさが胸に突き刺さった。

 5歳の誕生日の2日後に悪夢が襲った。2011年3月11日の午後2時46分。プレゼントのキックボードは津波にのみ込まれ「一日しか遊べなかった」と振り返る。避難した中学校にも津波が達し「(3階から)校庭を見たら車が洗濯機のようにグルグル回っていた」と述懐。寒さに凍えながらカーテンにくるまり、机の下で眠った。避難所で過ごした3日間で、口にできたのはパン2つだけ。壮絶な経験だった。

 2年後の13年。楽天がリーグ優勝と日本一に輝いた。家族、友達らと喜びを分かち合い「復興という思いが、より力強くなった」と言う。1メートル91の長身を生かした角度のある直球を評価されて憧れのチームに入団できたが、優勝からは10年、遠ざかっている。

 「まだ心の復興というのをできていない方もいる。野球で力を届けられたら」と大内。自らに課された使命は分かっている。もう一度、東北に歓喜の笑顔を咲かせる。(花里 雄太)

 ◇大内 誠弥(おおうち・せいや)2006年(平18)3月9日生まれ、宮城県東松島市出身の17歳。小1から野球を始め、中学時代は東松島シニアでプレーした。日本ウェルネス宮城では1年夏からベンチ入りも、甲子園出場はなし。23年ドラフト7位で楽天に入団。1メートル91、77キロ。右投げ右打ち。

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