侍J なぜドラフト指名前の大学生をトップチームに招集? 学生とプロの画期的共闘が実現

2024年02月14日 16:03

野球

侍J なぜドラフト指名前の大学生をトップチームに招集? 学生とプロの画期的共闘が実現
(左上から時計回りに)明大・宗山、関大・金丸、愛工大・中村、青学大・西川 Photo By スポニチ
 侍ジャパンが3月6、7日に行う欧州代表との強化試合(京セラドーム)の出場選手が14日、都内で発表された。プロ選手24人に加え、将来が有望視される大学生4選手が選出された。欧州代表との強化試合は2015年以来9年ぶり。前回の対戦成績は1勝1敗だった。
 今回特筆すべきは、12年の侍ジャパン常設後、ドラフト指名前の大学生が初めてトップチームに名を連ねたこと。今秋ドラフトの超目玉でアンダー世代では代表常連だった明大の遊撃手・宗山塁内野手(3年)、ドラフト1位候補で最速153キロ左腕の関大・金丸夢斗投手(3年)、同じく上位候補で最速157キロ右腕の愛知工大・中村優斗投手(3年)、宗山とともに1位候補と評される青学大・西川史礁外野手(3年)が選ばれた。

 日本球界として画期的な出来事だ。

 日本学生野球憲章の規定で、学生野球連盟所属チームとプロは合同練習を行うことはできない。日本学生野球協会の承認を経て、金銭を徴収しない形で試合を行うことは可能だ。また、プロ野球関係者が学生を指導するには資格回復の手続きを踏む必要がある。

 現状、トッププロと学生が一緒にプレーする機会はほぼない。それだけに、今回のようにドラフト指名前の学生選手の招集は、学生にとっても、チームメートとしてトップの技を間近で見て、吸収できるまたとないチャンスだ。

 一方で、今回、なぜ学生選手が招集されたのか。

 元来、日本代表トップチームは96年アトランタ五輪までオールアマ編成。99年9月のシドニー五輪予選で初のプロアマ混成を経て、03年のアテネ五輪予選以降はオールプロ編成となった。以降、アマ選手の代表入りは07年12月の北京五輪予選で大学・社会人ドラフト1巡目で楽天に指名されていた愛知工大・長谷部、13年11月の強化試合・台湾戦での広島1位指名だった九州共立大・大瀬良、日本ハム3位だった明大・岡(現ロッテ)ら4選手の例があった。

 侍ジャパン強化委員会は昨年から10年のスパンで、日本代表の強化に着手することを決定。26年にはWBCが開催され、28年のロサンゼルス五輪では野球が追加競技に復活した。宗山は順調なら26年WBCでプロ2年目を迎え、長期にわたり日の丸を背負うことが期待されている。

 課題となっている二遊間の世代交代という側面でも、宗山の存在価値は大きい。昨年3月のWBCで正遊撃手だった源田も2月に31歳を迎える。先の国際大会につながる若侍の台頭が望まれていた。

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