ドジャース・大谷 161日ぶり屋外フリー打撃で衝撃10発 手術の右肘にはこだわりのサポーター

2024年02月14日 02:30

野球

ドジャース・大谷 161日ぶり屋外フリー打撃で衝撃10発 手術の右肘にはこだわりのサポーター
フリー打撃で快音を響かせる大谷(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷翔平投手(29)が12日(日本時間13日)、右脇腹を痛めた昨年9月4日以来161日ぶりに屋外フリー打撃を行った。推定飛距離140メートル特大弾を含む3連発締めなど、21スイング中柵越え10本。昨年9月に手術した右肘には可動域を制限する特殊サポーターを装着しながらも、驚異のパワーは健在だった。3月20日の韓国での開幕・パドレス戦でのDH出場へ向け、調整は順調に進んでいる。
 「ハッ!」。ファーストスイングから全開だった。左肩にバットを寝かせて軽打するのがフリー打撃序盤のルーティン。だが161日ぶりの屋外フリーは、最初から声を漏らすほどだった。21スイングで柵越え10本。最後は左中間、右翼、中堅右に打ち分ける3連発で締めた。

 「慎重気味に振ったけど、その割にはよく振れていた。脇腹は全く問題ない」

 キャンプ4日目で、右脇腹を痛めた昨年9月以来のメニュー。右肘手術後、そしてドジャース・大谷としても初めての屋外フリー打撃は、混乱を避けるためにファン立ち入り禁止の「フィールド3」で行われた。練習を終えた山本と遭遇してグータッチを交わし、マウンドのネットの向こうにいたSNS担当の女性職員に「Are you gonna throw?(あなたが投げるの?)」と笑顔を投げかけて打席へ。その表情とは対照的に、打球はえげつなかった。

 こだわりのアイテムが右肘にあった。ドイツが本社のバウアーファインド社の「スポーツエルボーブレース」。右肘が伸びきることを防ぐため、肘を伸ばした際の角度をダイヤルで微調整し可動域を細かく制限できる。18年オフの1度目の右肘手術後に使った器具は、肘を曲げる角度も制限され打撃には不向きだった。今回の器具はすでに生産が終了した“絶版”の貴重な一品で、二刀流がこだわって選んだもようだ。

 3連発締めの最後の2本は140メートル級特大弾。米メディアは打球速度が109マイル(約175.4キロ)だったと報じた。「アリゾナなのでちょっと飛ぶ」と乾燥した気候を念頭に冷静だった大谷も「最後の2、3スイングは90(%)ちょっとくらいの力加減。トレーニングの成果もしっかり出ている」と手応え。単純計算では100%なら約155.6メートルとなり、15年以降のメジャー史上最長505フィート(約153.9メートル)も上回る。

 約半年ぶりに屋外で見せた衝撃の打球。「内容自体は良い。このまま順調にいけば」。3月20日からの韓国でのパドレスとの開幕シリーズで、100%の大谷を見ることができそうだ。(柳原 直之)

 ▽スポーツエルボーブレース 1929年にドイツで設立されたバウアーファインド社が販売する肘の伸展を制限するサポーター。同社米国支社は大リーグのトレーナー協会とサポート契約を締結。高品質サポーター、医療用装具などが得意で近年はスポーツ向けにも注力。10年バンクーバー、21年東京五輪はオフィシャルサプライヤーとして参加。日本国内の販売代理店はパシフィックサプライ。

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