亀山つとむ氏 阪神・佐藤輝の進化分析「後ろは小さく、前に大きく」「“グリップ軸”で対応」

2024年02月14日 05:15

野球

亀山つとむ氏 阪神・佐藤輝の進化分析「後ろは小さく、前に大きく」「“グリップ軸”で対応」
短いバットを使用してティー打撃をする佐藤輝(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 今キャンプの紅白戦2試合を4打数4安打と最高のスタートを切った阪神・佐藤輝明内野手(24)の好調の要因を、球団OBで本紙評論家の亀山つとむ氏(54)が「振り出しのグリップ位置にある」と分析した。キャンプで取り組む打撃練習のチェックと本人への直撃取材を通じて2024年型の打撃の進化に迫った亀山氏は、「マイナス要素は今のところない」と断言。同時に、連覇に向けた40本塁打実現の条件も指摘した。
 佐藤輝の状態の良さは、フリー打撃の前に取り組むティー打撃からもうかがえる。一球一球、しっかりと意図を持って打っていた。気持ち良く振るだけだった昨年とは臨む姿勢が一変している。

 何をどう考えているのか。ハワイ優勝旅行を途中で切り上げて、米国シアトルのトレーニング施設「ドライブライン」で何を得たのか。宜野座のグラウンドレベルで少し話をする機会があった。「打撃を解析して出たデータは、一つの情報としては入れています。でも、打撃を180度引っ繰り返したりはしていない」と佐藤輝は説明した。彼なりに解析結果を取り入れつつ、フルモデルチェンジではなく、部分的にパーツ(体の動き)を変えて今年の打撃をつくり上げようとしている。

 「意識しているのは、振り出す時の手とグリップの位置。右(右翼)方向ではなく、遊撃方向にグリップを出していくイメージ」と佐藤輝は語った。11、12日の紅白戦でも、そのスタイルで本塁打を含む4打数4安打。手応えを感じていた。この日のティー打撃でも最初はミニバットで、グリップの位置を確認しながら打っていた。

 左肩を少し下げ気味にして、体を回転させながら、遊撃方向へのグリップを意識する。そうすることで、理想的なインサイドアウトのスイングになり、ヘッドが前に伸びている。後ろは小さく、前に大きく。自分の体を中心にバットが回る“自分軸”ではなく、グリップが中心の“グリップ軸”で対応する。自分で考えながら、たどりついた打撃。これは大事にしてほしい。

 シンプルなスイングを忘れずにシーズンを通したら、結果はついてくる。150キロ超のインハイと、それに漏れなくついてくる落ちる球に、実戦でどう対応するか。一番難しいインハイを仕留めようと思わずに、我慢してファウルでしのぎながらチャンスボールを待つ。そして、守りでストレスを感じないこと。それが40本塁打達成への条件だ。 (スポニチ本紙評論家)

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