【阪神・佐藤輝インタビュー(2)】進化するための打撃フォーム改造「構えた時は…」 広澤氏も興味津々

2024年02月29日 05:15

野球

【阪神・佐藤輝インタビュー(2)】進化するための打撃フォーム改造「構えた時は…」 広澤氏も興味津々
広澤克実氏との対談で笑顔の阪神・佐藤輝(右)(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
(1)から続く
 広澤 ところで打撃フォームを変えた部分を詳しく教えてほしい。

 佐藤輝 打ち方と、考え方というところは今までとは違う感じで変えました。それをオフの間、ずっと取り組んでいました。

 広澤 具体的に言えるところは?

 佐藤輝 口で説明するのは、少し難しいんですけど、体の回転する向きを変えました。方向性です。

 広澤 昨年から明らかに変わったところは、少し猫背になっているところかな?

 佐藤輝 猫背もそうですし、構えた時はより前傾しています。前傾している方が体が回転しやすいので。打球に角度をつけるためです。

 広澤 よく側屈(背筋を伸ばした状態で胸の面・背中の面のひねりをいれないように、下半身に対して上半身を右または左へと真横へ傾けること)を意識しているでしょう?それは何かのデータで出てきたの?

 佐藤輝 それはデータというよりも、もう少し側屈の動きを入れた方がいいんじゃないかということに気づきました。ステップをして右足が着いた時に左肩と右肩のラインが一直線ではなく、左肩は右肩よりもやや下にあるようにとは意識しています。

 広澤 打席の中では速い球にタイミングを合わせて、変化球に対応する考え方がオーソドックスだけど?

 佐藤輝 どちらかというと速い球に合わせていく感じだと思います。

 広澤 速い球にタイミングが遅れないようにステップをして、変化球が来たら待つ、止める、呼び込む作業をして打つのか?

 佐藤輝 どちらかというと、そうだと思います。

 広澤 見ていると、変化球に対応するために準備をしながら、真っすぐを待っているんじゃないかなと思うんだけど。

 佐藤輝 そういう時もあります。

 広澤 松井秀喜(元巨人・ヤンキース)も相手の遅いボールを待って速いボールを打っていくバッターだった。そういう打者は速い真っすぐにタイミングを合わせてしまうと、フォークボールとかストライクゾーンからボールになる変化球に空振りしてしまう。結果、そういう待ち方をしてしまう傾向がある。

 佐藤輝 僕の場合、浅いカウントの時はしっかり速い真っすぐに対応する準備をして、追い込まれると落ち球への準備をしています。めちゃめちゃ打席の中で考えているわけではないですけど…。

 広澤 遅い球を待っていて速い球に対応できる打者はシーズンの好不調の波が少ないんだよね。打ちにいって体が回転した時に肘さえ体から離れなければバットのストップはかけられる。私も苦しんだ(笑い)。40歳を過ぎてから、こういうことなんだと初めて気づいた。ちょっと遅かった(笑い)。

 佐藤輝 是非、参考にさせていただきます。

 広澤 仁川学院から近大に進学し、そこから全国レベルになった。アマチュア時代に“俺はこうしたから打てるようになった”という成功体験はある?

 佐藤輝 間違いなく筋力トレーニングですね(笑い)。高校の時に鍛え始めて、そこからもう全部変わりました。その当時、体が細い割に打球を飛ばすくらいのバッターでした。そこから体を鍛えたことで打撃も良くなりましたし、足も速くなりました。

 広澤 高校に入る時、名門校に行こうとは思っていなかったの?

 佐藤輝 全然思っていなかったです。当時は野球に対する熱はあまりなかったので…(笑い)。

 広澤 それで地元の仁川学院を選んだの?

 佐藤輝 そうです。自宅から一番近いところが仁川でした。最初は、サッカー部に入ろうと思っていたんですけど、友達に言われて…。結果、野球部に入りました(笑い)。高校の途中からちゃんと野球をやろうかなという気持ちが出てきて、トレーニングを始めたのもその時です。3年間で野球がうまくなったので、大学でもやりたいと思うようになりました。

 広澤 そうなんだ。飛ばす力は「超」が付くほどあるし、足も速いし、守備は「超」が付くほどではないけどうまい。今季も応援しています!

 佐藤輝 (笑い)。ありがとうございます。期待に応えられるように頑張ります!

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