大阪桐蔭・平嶋 段違いの制球力で7回1失点 今大会最速149キロ計時「このチームのエースなんだと…」

2024年03月23日 04:45

野球

大阪桐蔭・平嶋 段違いの制球力で7回1失点 今大会最速149キロ計時「このチームのエースなんだと…」
<大阪桐蔭・北海>大阪桐蔭先発・平嶋(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【第96回選抜高校野球大会第5日・1回戦   大阪桐蔭7ー1北海 ( 2024年3月22日    甲子園 )】 大阪桐蔭(大阪)が北海(北海道)を7―1で下した。今秋ドラフト候補に挙がる最速154キロ右腕・平嶋桂知(かいち=3年)が4安打無四球で7回1失点(自責0)に抑える好投。西谷浩一監督(54)に甲子園通算監督勝利数で高嶋仁監督(智弁学園、智弁和歌山)と並ぶ歴代1位の68勝目をプレゼントした。
 大阪桐蔭の平嶋は、冬場に西谷監督から伝えられた。「おまえが1番をつけるか分からないから」。昨秋は背番号1をつけて近畿大会優勝に導いた。ただし昨秋公式戦の与四死球率4・88。絶対王者の1番を担うには、安定感が足りなかった。

 「冬は制球を改善しようと練習してきた。このチームのエースなんだという強い気持ちを持って投げました」

 ひと冬を越えて迎えた甲子園初登板初先発。7回を無四球と課題の制球力が見違えていた。加えて、今大会出場校中最速となる149キロを計測した球威も健在。華麗に変身を遂げ、西谷監督に甲子園68勝目を贈った。

 「球速ではなく制球を意識したのが良かったのかなと思います」

 制球向上の鍵は、選抜直前に決断した投球フォームの修正にあった。走者不在でもセットポジションのスタイルは昨秋と同じだが、グラブを右腰付近に置いてから投球動作を始動するようにした。「右足の押し込みを意識したかった。グラブが体の右側にあると、その感覚がつかみやすかった」。西谷監督から「下半身を使って投げなさい」と何度も伝えられていた。試行錯誤の末、今月上旬に定まったフォームで7回1失点(自責0)とエースの役割を果たした。

 チームには最速151キロ右腕の森陽樹(2年)ら全国屈指の好投手がそろう。指揮官からは「この投手陣の中で飛び抜けた存在にならないといけないんだぞ」と自覚と責任を求められてきた。「投球だけではない。私生活や言動から意識してきた」。その姿勢を評価され、西谷監督の節目の1勝が懸かった初戦の先発を勝ち取った。

 阪神・岡本洋介スカウトからは「直球は速く落ち球で空振りも取れる。間違いなくいい投手」と評価された。「日本一になることが西谷先生の勝利数にもつながる。目の前の一戦一戦に集中したい」と平嶋。球威良し、制球良し。大阪桐蔭の背番号1にふさわしい投手となった。 (河合 洋介)

 ◇平嶋 桂知(ひらしま・かいち)2006年(平18)9月4日生まれ、東京都中野区出身の17歳。小学4年時に久我山イーグルスで野球を始めて投手。南中野中では稲城シニア所属。大阪桐蔭では1年秋に背番号20でベンチ入りし、2年秋から背番号1。最速154キロ。1メートル86、84キロ。右投げ両打ち。

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