ドジャース・大谷 クリケット弾で3号!“新打法”でメジャー日本選手最多ゴジラに王手

2024年04月10日 01:30

野球

ドジャース・大谷 クリケット弾で3号!“新打法”でメジャー日本選手最多ゴジラに王手
<ツインズ・ドジャース>7回、ソロを放つ大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【インターリーグ   ドジャース4―2ツインズ ( 2024年4月8日    ミネアポリス )】 ドジャースの大谷翔平投手(29)が8日(日本時間9日)、ツインズ戦で左越えへ3号ソロを放ち、松井秀喜が持つメジャーの日本選手最多175本塁打まであと1本に迫った。前日からクリケット用のバットを打撃練習で使用していることが好調さを加速させ、自己最長を更新する5試合連続マルチ安打と今季初の3安打をマーク。一時の不振を乗り越え、いよいよ本領を発揮し始めた。
 大谷が通称「おもちゃ箱」の中から選んだのは、クリケット用のバットだった。その箱の中には、ドジャースの打撃練習用の道具が収められている。犬の遊具の軟らかいボールや、長尺バットなど用途はさまざま。「面で捉えていくというか。練習の一環として良さそうだなと思った」という新たな相棒が、快音を連発させた。

 3―2の7回2死。元広島のジャクソンのスライダーを左翼席へ運んだ。3試合ぶりの3号ソロ。打球角度は今季最高38度のムーンショットで、クリケット打法がもたらす効果が凝縮されていた。

 使い始めたのは、前日のカブス戦だった。今永の前に初回から2打席凡退。直後に「体を振って(バットを)返しているのが早い」と感じ取った。クリケット用のバットは打撃面が平たく、重量は1・3~1・4キロと野球のバットより400~500グラム重い。手首を返してしまっては振ることができず、繰り返しスイングすることで「面で捉えていく」という動作を意識付け。驚くほどの即効性で、同戦は3、4打席目に連続長打を放った。

 この日の試合前にも「今日もやろうかな」と予告し、結果に結びつけた。初回の中越え二塁打に続き、6回は左翼線二塁打。自己最長の5試合連続複数安打を記録し、手首が早く返っては打てない逆方向への一発につなげた。デーブ・ロバーツ監督は「クリケットバットという“Secret Weapon”(秘密兵器)を使う選手が他にも出てくるだろう」と笑った。

 新たな家族に支えられ、復活した。開幕直後に専属通訳だった水原一平氏の違法賭博問題が発覚。その後は鼻水やせきといった体調不良もあった。自己ワーストの開幕から40打席連続ノーアーチ中は重圧とも闘ったが、支えになったのは2月のキャンプ中に結婚を発表した真美子夫人、オフに飼い始めた愛犬デコピン。「ここ数週間いろいろあった。隣に誰かいるかどうかはだいぶ違う。いてくれて良かったなと思うときはあった」と感謝した。

 メジャー通算174号。大谷が尊敬する松井秀喜が持つ日本勢最多にあと1とした。「特別な数字ではあるので早く打ちたい」。珍しく“節目”を意識し、歴史を塗り替える覚悟を示した。(柳原 直之)

 ≪安打&二塁打数は両リーグトップ≫大谷が今季初の1試合3安打で、メジャー7年目で自身最長の5試合連続マルチ安打。打率.345は両リーグ21位だが19安打、7二塁打はいずれも両リーグトップだ。ドジャース打線ではベッツ、スミスが18安打で2位タイ、フリーマンが16安打で6位と上位を占める。また、強打者を示す指標の「OPS(長打率+出塁率)」も1.056となった。

 ≪大谷のマネ アウトマン決勝ソロ≫8番のアウトマンが同点の7回、右翼席へ今季1号の決勝ソロを叩き込んだ。試合前まで打率・125と低迷。7日のカブス戦で大谷が4試合連続複数安打をマークしたことを受け、この日の試合前に同じクリケット用のバットで練習し、不振脱却につなげた。初本塁打の直後には、ベンチで大谷に相手投手の球筋を伝達。「我々がいつも互いにやっていること。次の選手に可能な限りの情報を伝えるようにしている」と強調した。

 ▽クリケット 英国の国技で、野球の原型ともいわれる。13世紀に羊飼いの遊びから始まったとされ、競技規模は世界でサッカーに次いで2番目。競技人口はインドが最大で1億5000万人、日本は約4000人。バットは長さが38インチ(約96.52センチ)以内、幅が4.25インチ(約10.8センチ)以内で1.3~1.4キロと野球のバットより重い。平らな面は「ブレード」と呼ばれ、後ろ側は厚みのある山型になっている。材質は軽さと柔軟性のある柳の木で、試合で使うバットの価格は3万~4万円。中には10万円を超えるものもあるという。

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