ドジャース大谷 ピッチクロックにもの申す!「間違いなく負担は増えている」投手故障者続出の原因「ある」

2024年04月10日 01:30

野球

ドジャース大谷 ピッチクロックにもの申す!「間違いなく負担は増えている」投手故障者続出の原因「ある」
<ツインズ・ドジャース>囲み取材に応じる大谷(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 ドジャースの大谷が米球界に一石を投じた。試合前に行われた取材対応。大リーグで投手の故障が相次いでいる原因に、投球間に時間制限を設ける「ピッチクロック」が挙げられることについて意見を求められると、口調は自然と強くなった。
 「間違いなく負担は増えている。レスト(休養)、リカバリー(回復)、短い時間で多くの仕事量をこなすことで(体への)負担自体は間違いなくかかっている」

 「投手・大谷」は昨季からピッチクロックによる体への負担を実感。右肘のじん帯損傷を招き、2度目の手術を経験した。「どの程度、今回(の故障者続出)に反映されているか確証はない」とした上で、「自分の感覚として、それは(原因がピッチクロックに)あるんだろうなと思う」と言い切った。

 近年の大リーグはデータ分析やトレーニングが進化し、投手の100マイル(約161キロ)超えが珍しくなくなった。体への負担が大きくなった要因とされ、大谷は「球質自体を上げ、なおかつベストのボールを投げ続けなければいけない。軽く投げるシチュエーションが先発投手でもなかなか少ない」と言う。

 翌年からの投手復帰へ向け、始動に大きな変化を加えている。以前はセットポジションで両足を平行にそろえて立っていたが、今は左足を一足分、前に置く。スムーズな体重移動、右肘への負担軽減、ピッチクロック対策で“始動”を分かりやすくするなどさまざまな狙いが考えられる。

 大谷は「間違いない」という言葉を4度も繰り返した。今や「メジャーの顔」である大谷が断言した意義はとてつもなく大きい。(柳原 直之)

 ▽ピッチクロック 試合時間短縮を目的に投球間に制限時間を設けるルール。MLBが昨年から採用した。投手は捕手から球を受けてから走者なしの場合は15秒。ありの場合は昨年より2秒短い18秒以内に投球動作を始めないと1ボールが宣告される。打者は残り8秒までに打つ準備を整えなければ1ストライクが宣告される。

 ≪ダルも苦言「しんどいですよ」≫パドレスのダルビッシュがピッチクロックについて言及した。「しんどいですよ、やっぱり。体のダメージが年齢なのか自分はかなり微妙なところにいる」。メジャー全体で投手の故障が急増している背景も分析。「16年ぐらいから、ボールが飛ぶようになった」とした上で、「ピッチャーはもっと球を速く投げたり、全力で投げにいかなきゃいけない。それは危ないと思っていました」と持論を展開した。

 ≪バーランダーは球速や回転数の増加も関連と指摘≫大リーグでは今季も投手の故障が相次いでいる。昨季サイ・ヤング賞のコール(ヤンキース)は右肘痛で離脱中。前日には昨季20勝のストライダー(ブレーブス)の右肘じん帯損傷が発表された。選手会は6日にピッチクロックを批判する声明を発表し、「回復する時間が十分でない」と警告。一方で、現役最多257勝のバーランダー(アストロズ)は「ピッチクロックのせいにするのは簡単だが、実際は全てのことが少しずつ影響している。一番は投球スタイルの変更で、みんな全力で高回転で投げている。まさにパンデミックだ」と球速や回転数の増加も関連していると指摘した。

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