広島・中村奨成 1軍生き残り“ラストチャンス” 3試合連続安打でアピール「結果残さないと意味がない」

2024年08月16日 05:45

野球

広島・中村奨成 1軍生き残り“ラストチャンス” 3試合連続安打でアピール「結果残さないと意味がない」
広島・中村奨 Photo By スポニチ
 広島・中村奨成外野手(25)が15日、あす17日からのヤクルト2連戦(神宮)を前に、1軍生き残りへ強い覚悟を示した。今季は2度も出場選手登録を抹消。1軍に定着できていない状況が続いた中でも出場選手登録された11日以降は4試合連続で先発出場しており、目下3試合連続安打中だ。きょう16日のヤクルト戦(神宮)は台風7号の接近に伴い中止が決定。リーグ2位の巨人が1ゲーム差で迫る中、打撃好調の若ゴイがその勢いでチームをけん引する。
 中村奨は同じ轍(てつ)は踏まないと強く誓う。今季は1軍と2軍の行き来を繰り返してきた。優勝争いを展開する終盤戦でもらった事実上のラストチャンスを生かし、さらなるアピールに燃えている。

 「スタメンで使っていただいて、緊張感は常にある。一試合、一試合という気持ちでいる。優勝争いをしている中で、戦力として見られているというのを、しっかり自覚して、結果を残して、チームのためになれるように頑張りたい」

 これまで何度も悔しい思いをしてきた。今季は3月31日に初昇格するも、3試合の出場で4打数無安打と結果を残せず、4月8日に出場選手登録を抹消。2軍生活を経て、約3カ月後の7月4日に再昇格を果たした。しかし今度も5試合の出場で8打数1安打と低調に終わり、同21日に再び出場選手登録を抹消された。

 「(降格後にコーチからは)コンタクト率のことを言われた。1軍の投手は真っすぐも速くて強さがある。バットを短く持ってでも、ミートしてやってみたらとアドバイスをもらった。今は食らいつくという意識でやっていて、手応えを感じている」

 1軍の打席映像を見返した際に課題が見つかった。甘い直球をミスショットしていた。新井2軍打撃コーチ、福地2軍打撃・走塁コーチからの助言を受け、追い込まれた際や、速球派の投手に対してはバットを短く持ち、コンパクトなスイングを心がけた。

 これで調子も上向いた。6日のウエスタン・リーグ、オリックス戦では2打席連続本塁打を放つなど、8月は同リーグで7試合に出場して3本塁打。結果でのアピールに成功し11日に3度目の昇格をつかんだ。そこから4試合連続で先発し、17打数5安打、打率・294、1打点と存在感を示す。「積極的に振れているし、タイミングもしっかり取れている」。新井監督は評価しているものの、中村奨はさらなる高みを見据えていた。

 「1軍で結果を残さないと意味がない。甘い球を打ち損じないよう、ここからも意識してやっていきたい」

 逆襲を期す背番号96が6年ぶりのリーグ優勝への起爆剤となり歓喜の輪に加わる。(長谷川 凡記)

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