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日米親善交流大会 「和の心」でおもてなし 3泊4日の日程で米国野球少年は感激の連続

2022年08月31日 06:00

野球

日米親善交流大会 「和の心」でおもてなし 3泊4日の日程で米国野球少年は感激の連続
日米のポニーリーグが交流 Photo By 提供写真
【月刊ポニーリーグ8月号】
 「月刊ポニーリーグ8月号」は日米親善交流大会(大倉グループ協賛)の様子と、ワールドシリーズ(米国・イリノイ州)に出場していた日本代表の奮闘ぶりを紹介する。

 日本が誇る「おもてなし」に、米国の野球少年たちは感激を隠せなかった。

 「私を素晴らしい家で迎え入れてくれてありがとう。言葉で表せないぐらいサポートしてくれたことに感謝しているよ」

 ロサンゼルスで活動する「310ポニー」のルーク・クロッティーは、ホームステイ先の家族に向けて書き置きを残し、帰国の途についたという。8月14日から3泊4日に及んだ日米親善交流。受け入れ先の一つとなった関西連盟・川上賢嗣事務局長は、感慨深い表情で振り返った。

 「子供たちにとって、非常に良い経験になったと思います。関西連盟では愛知稲沢、京都、兵庫神戸、奈良、滋賀のチームで分担してステイ先を受け入れていただきましたが、成功できたのは保護者の方々のご協力のたまものです」

 新型コロナウイルスの感染状況を見守る中、6月に開催されることが正式に決まった。ホームステイも含め、関西連盟としては初の受け入れ。各チームの担当者と話し合いを重ね、感染対策を万全にした上で行程を組み上げた。

 関西入りに先立ち、「310ポニー」は東北地区で行われたマルハンカップ東日本大会に参加。関東滞在時は埼北ウィングがホスト先となり、交流を深めていた。14日に愛知県に移動すると、翌15日には愛知稲沢と「日米親善野球」として2試合を消化。うち1試合は混成チームでのマッチアップとなり、大いに盛り上がった。

 15日の夕刻に京都駅へ到着すると、翌16日は甲子園球場へと向かった。バックネット裏のドリームシートで、全国高校野球選手権大会3回戦の敦賀気比―聖光学院戦を観戦。「310ポニー」の選手24人は初めて目にした高校野球に感動し、試合終了後にはスタンディングオベーションで球児を称えた。

 関西滞在の最終日となった17日は、京都観光と奈良観光の2班に分かれた。京都組は金閣寺と嵐山を散策。雨の影響で大木が倒れるアクシデントに見舞われたが、復旧作業を熱心に手伝った。奈良組は奈良公園へ足を延ばし、鹿との触れあいを満喫。「たこやき」を振る舞うなど各家庭が心のこもった夕食を準備し、アメリカの選手たちを喜ばせた。

 いまどきの子供たちらしく、翻訳アプリも駆使しながらすぐに打ち解けたという。ポニーリーグならではの「日米親善大会」。得がたい経験は、両国の選手たちにとって一生の思い出となるだろう。

 【日本代表米国遠征、世界の壁痛感も収穫】

日本代表は得がたい経験を手に、7泊9日の米国遠征を終えた。チームを率いた佐賀ビクトリーの古澤豊監督は、感慨深く大会を振り返った。

 「試合は負けましたが、野球を通じて外国の異文化を体験できたことは、子供たちにとって何よりの財産になったと思います」

 世界各国から全8チームが参加。アジア代表として出場したが、海外の強力打線の前に優勝はかなわなかった。特に投手陣は苦戦を強いられたが、悔しい経験の中から教訓を手にいれた。古澤監督は言う。

 「縦の変化球の必要性を痛感してくれたことは、今後のステージにつながります」

 打線は確かな足跡を残した。130キロ後半を投げ込む投手たちを相手に、国際基準の低反発バットでも対応。大木蒼太、国武球磨(いずれも佐賀ビクトリー)、芦谷響(江東ライオンズ)らが快音を響かせた。

 観戦予定だったセントルイスでのカージナルス―カブス戦が雷雨中止となったのは残念だったが、ワールドシリーズに参加した選手たちによるホームラン競争では芦谷が決勝ラウンドに進出。ベースランニング競争では石橋絢斗(千葉)が全体2位に入るなど奮闘していた。

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