経済アナリスト森永康平 日経平均史上最高値は経済破綻への序章!?円安是正は「日銀の愚策になる可能性」
2024年02月24日 19:48
芸能
一方で、番組出演者を含め、多くの日本人は好景気を実感できていない。森永氏は「実質賃金は21カ月連続マイナス、収入が減っているのでもちろん消費支出も10カ月連続マイナスです。さらにGDPはドイツに抜かれ4位になりました」と、株価以外の数字は“お寒い”ものばかりの状況だ。
日経平均の指標になる企業の多くは円安で儲けている大手輸出系企業。しかし、日本の約7割を占める中小企業は円安のため、燃料費、電気代、材料費が増えて厳しい経営状況を強いられている企業が少なくない。そのため大手と中小の格差がさらに広がっている。その状況で森永氏が危ぐするのは「中小企業から従業員が大手に流出して、人手不足倒産が起こるという恐ろしいことが起こっている」と指摘する。
とはいえ、好景気な大企業が引っ張る形で少しずつ日本経済に明かりが差し始めてきたのも事実。その中で、日銀は物価高などを問題視して、円安の是正に向けて動き始めた。アメリカが今年金利を下げることが確実視されていることから、現在のマイナス金利を見直し、円買いを促進させる狙いだ。
しかし、森永氏は「日銀の愚策になる可能性が高い」と考えている。
「マイナス金利の場合、民間の銀行は日銀に預金すると金利を取られる場合があるので、それならば企業に貸し出して金利をとろうと考えるんです。その流れがストップしてしまうと企業への貸し渋りが起きて投資が冷え込み、大変な状況になる可能性がある」と危ぐした。
ではなぜ、日銀はそのような選択を取ろうとするのか?
森永氏は「政府も日銀もバブルのトラウマがあるんです。少しでも景気が良くなるとつぶしにかかるところがある。ただ、バブルの時はわけのわからない上がり方でしたが、今の株価は適正価格。実際に欧米各国の株価は約30年間で数倍になっている」。
その森永氏が「おっ?」となる質問を投げかけたのはWEST.の中間淳太だ。「例えば法人税を上げるとどうなるのでしょうか」と聞くと「それは実はとてもいい政策です」と即答。「企業も税金として取られるのなら、人件費に使うほうがいいというインセンティブが働きますので、賃金アップが見込める。ただ経団連の偉い人からすれば、なんでうちの金を取るんだ、と考え、政治家に“(選挙で)落とすぞ”ということになってしまう」と苦笑い。仲間も「なんやそれ」とあきれ顔だった。