美輪明宏 同性愛告白のいきさつ「人間同士が愛し合うことのどこが違うんだと」 黒柳徹子も賛同

2024年02月24日 20:50

芸能

美輪明宏 同性愛告白のいきさつ「人間同士が愛し合うことのどこが違うんだと」 黒柳徹子も賛同
美輪明宏 Photo By スポニチ
 歌手の美輪明宏(88)が、24日放送の日本テレビ系特番「世界を変えた20人のアーティスト」(後7・00)にゲスト出演し、性的マイノリティーに対するかつての逆風を振り返った。
 日本や世界の音楽史に名を残すアーティストや、その活動などについて掘り下げる特番。松任谷由実やMISIA、BTS、ビートルズなどのレア映像などが流された。

 その中で紹介されたのが、美輪の半生だった。長崎県で生まれ、15歳で歌手を目指し上京。音楽学校に通いながら、キャバレーやバーテンダーなどアルバイトで生計を立てた。しかし、実家の商売が経営難に陥り、バイト代は実家へ仕送り。自分は新宿駅でホームレス生活をしていた時期もあったという。

 それでも夢をあきらめなかった。シャンソン喫茶の老舗・銀座「銀巴里(ギンパリ)」を足がかりにレコードデビューをつかみ取った。端正なルックスと独創的なファッションから“シスターボーイ”と呼ばれ、人気を博した。

 当時はまだ性的少数者が今以上に生きづらい時代。ある日、事件が起きた。友人が同性愛を家族に知られたことを苦に、自殺したという。美輪は「大変でしたよ。5、6人いましたよ、自殺した人が。たくさん見ていたから」と、当時を回想。「何をしたっていうの?男が男を愛し、女が女を愛し、男が女を愛し、女が男を愛し…人間同士が愛し合うことのどこが違うんだと。これは戦わないといけないと思ったんです」と、忸怩(じくじ)たる思いを口にした。

 美輪は大きな決断をした。自身も同性愛者であることを雑誌で告白した。「雑誌社の人が“そんなことを言ったら葬られますよ。ダメですよ”って。記者の声でマイルドな表現に変えられたんですよね」。美輪への風当たりを心配した記者の配慮で、「相手は女性のときもあり、男性のときもあります」と、やや柔らかい表現に変えられたという。

 美輪は「“いいですよ、書いて下さい”って。“そしたら1人でも死ぬ人が減ってくるから。そういう人たちのために私は戦います”って」と、確たる信念を記者に告げたという。名だたる文豪も、美輪の思いに賛同してくれたそうで、「三島(由紀夫)さんとか、川端(康成)さんとか、江戸川乱歩さんとか、天才たちが全部、私を後押ししてくれた。勇気のいることなのに、そうなって下さって」と感謝した。

 告白後、街中で石を投げつけられるなど、悔しい思いをしたという。それでも、美輪の心に変わらず息づくのは、人間であることと、愛することの平等さ。「私は人を殺したわけではない。物を盗んだわけではない。人間が人間を愛して、どこが悪いんだ。そういう正論があったから、だから突っ張って来られたんですよね」。まっすぐな目で訴えた。

 美輪と長年の友人という黒柳徹子は、「この方がおっしゃっていることは正しいと思ってましたよ。だから仲いいのね。友達」と、美輪に賛辞を送った。

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