AKB48歴17年の柏木由紀(32)の卒業コンサートが16日、神奈川・ぴあアリーナMMで開催された。モーニング娘。など他を含めても、女性アイドルグループでの所属日数は、日本芸能史上歴代最長の6210日。“日本一のレジェンドアイドル”が、ついにフィナーレ。「今日一日が17年間の中で一番楽しくて幸せだなと改めて思います」。後輩メンバー一人一人から花を渡されたドレス姿の柏木は、万感の思いに浸った。
【記者の目】柏木は、ただ在籍記録が長いだけのアイドルではなかった。初期は、元祖神セブンと呼ばれた前田や大島優子ら偉大な先輩の前で萎縮するしかない3期生だった。それでも「握手会の女王」と呼ばれる“神対応”でファンを一人ずつとりこにしていき、11年の第3回AKB48選抜総選挙では、その神セブンの壁を突き破り3位と飛躍した。そこから中期は、大阪NMB48や新潟NGT48も兼任するなど、まさにAKB48グループ全体の全国的知名度を誇る看板娘の一人となった。
先輩だけでなく盟友の渡辺麻友、指原も卒業した後期は、違う形で存在感を発揮した。21年に脊髄空洞症の手術を受けながらも、後輩メンバーたちの劇場公演やAKB48のコンサートを制作。育ての親の秋元康氏の代わりにプロデューサーとして、若手の育成も担った。
時間的にも中身的にも、日本芸能史上で誰よりもアイドルを満喫し、知り尽くした人物だった。