「ブギウギ」中村倫也出演 「ガハハおじさん」ほうふつさせるキャラ
2024年03月18日 12:00
芸能
「私自身も以前から大好きな役者だった。柔らかい役から堅い役まで何でも出来て、説得力のあるお芝居をされる。機会があればご一緒したいと思っていた」と福岡氏。
沼袋勉はスズ子(趣里)が「男女歌合戦」の出演依頼を受ける場に遅れて登場。スズ子に「ベンさん」と呼ばれ、あいさつされると「ご無沙汰、音沙汰、色恋沙汰はもうたくさん」などと冗談を飛ばす。
「モデルとは言えないが、NHKのドラマ演出家の和田勉さんをほうふつさせる。サングラスや頭の感じなど扮装もなんとなく引っ張られている印象があるが、敬意を込めて描いているので、楽しんで頂ければ」
和田さんはNHKの大河ドラマ「竜馬がゆく」(1968年)やドラマ「阿修羅のごとく」(79年)など数々の作品を演出した有名ディレクターで、退局後はタレントとしても活動し、その個性的な笑いから「ガハハおじさん」とも呼ばれた。
「中村さんにはパワフルで楽しいお芝居をして頂いた。沼袋の面白さは押し出しの強さだが、リハーサルではみんなが笑ってしまうくらい大きな声だったので、若干抑えてもらったほど。本番では、私たちの想像のさらに上を行く、くせの強さをさらりと出して頂き、現場では趣里さんも含めみんなが大爆笑だった」
沼袋は登場シーンで、場違いな孫の手を持っていた。
「あれは演出の福井充広さんのアイデア。衣装合わせの時に『何か手に持ちたいですよね!?』と、いろいろな小道具を用意したところ、中村さんが『孫の手がいいな』と選んだ。見事に使いこなして、この人はずっと孫の手を持っているんだろうなという雰囲気を自然に出して頂いた」
前週の刑事役・内藤剛志に続き、中村が作品の終盤に花を添える形となった。
◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。