中村メイコさん 弔辞は黒柳徹子 生前の約束果たし「あなたがいらっしゃらないこの世がつまらない」

2024年03月18日 16:58

芸能

中村メイコさん 弔辞は黒柳徹子 生前の約束果たし「あなたがいらっしゃらないこの世がつまらない」
「中村メイコを乾杯で送る会」で飾られた中村さんのポートレート (撮影・小田切 葉月) Photo By スポニチ
 昨年12月31日に肺塞栓症(はいそくせんしょう)のため、89歳で亡くなった女優の中村メイコ(なかむら・めいこ、本名神津五月=こうづ・さつき)さんを「乾杯で送る会」が18日、東京・渋谷セルリアンタワー東急ホテルで行われた。会では長年親交があった黒柳徹子(90)が弔辞を寄せた。黒柳はテレビ朝日「徹子の部屋」の収録のため欠席し、中村さんの長女で作家の神津カンナ氏(65)が代読。「あなたがいらっしゃらないこの世がつまらない」とつづった。
 以下、全文。

 「『私のお葬式の弔辞は、あなたが読むのよ。そう決めたから絶対よ』。あなたは、いつも私にそう言ってたわね。『徹子の部屋』にあなたがいらして、その6日後に亡くなった時、私は本当に驚いたのよ。人間は亡くなる6日前にテレビに出て、弔辞のことも約束して、普段と変わらずに、いつもの声で『絶対よ!』なんて言えるものかしら、と思ったから。『私は2歳半から女優やってるからあなたより芸歴長いでしよ。だから、あなたより先に死ぬから、あなたが弔辞読むの』。有無を言わさず、楽しそうに、あなたはそう言ったの。

 それにしても、あなたは『徹子の部屋』に出て下さる時、必ずプレゼントを持って来て下さったわね。アクセサリーとか、お化粧品とか、お洋服とか。でも不思議なことに、最後にいらした時だけ、おみやげなかった。いつものあなたなら『ごめんなさい、おみやげ今日は、忘れちゃった』とか、そんな風な言い訳があるはずなのに、最後の日は、おみやげもなく、言い訳も、なかったわね。もし違うことがあったとしたら、そこだけが違ってた。

 そして、『徹子の部屋』に、必ず、お話のおみやげも持って来て下さった。しかも、びっくりするようなお話を。最後の時は、『仕事が長すぎたから、もう、このへんでいいやと思って、死のうと思って、海へ行って、どんどん先の方までジャボジャボ入って行ったら、とうとう泳ぐところまで行って、考えたら、私はスポーツ音痴だけど、水泳だけは上手だったのよ。だから泳いで沖のほうまで行ったけど、結局、泳いで帰つて来たの。そしたら、徳川夢声さんのお嬢さんが、そこを通りかかって“何してるの?”って言われちゃって。考えたらお洋服着て泳いでるんだからヘンよね。結局死ねなかったの』。笑わせて、泣かせるメイコさん、あなたはサービス精神いっばいの方でしたね、最後の最後まで。

 でも考えてみれば、娘を2人産んでから、息子がいないのは、つまらない、と言ってて、男の子も産むことになつて。そこで孫が産まれて。こんなに恵まれた女性は、そうはいないと思います。しかも、ちゃんと育てて。

 メイコさん、あなたがいらっしゃらなくなって寂しくなります。今後、お会いすることがあったら、もっとたくさん、お話しましょうね。長いこと、お友達でいて下さって、ありがとう。私は、もう少し、生きてみます。あなたのご家族を、お守り下さいね。ついでに私のことも。あなたがいらっしゃらないこの世がつまらないこと、繰り返しお伝えします。じゃね、あなたの気に入る弔辞かわからないけど、お送りします。バイバイ!

 二〇二四年三月十八日 黒柳 徹子」

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