藤井棋聖 初の永世称号へ「全力尽くす」 1日棋聖戦第3局
2024年07月01日 05:07
芸能
藤井は6月20日、甲府市での叡王戦第5局、伊藤匠叡王(21)に敗れて2勝3敗で自身初の失冠を経験した。タイトル初挑戦した20年度棋聖戦以来、敗退は初めてで、自身の持つタイトル連続獲得は歴代最多の22期でストップ。昨年10月11日の王座戦第4局で全8冠を独占して以来、254日で全8冠独占が崩れたが、この日は終始穏やかな表情を見せた。
まさかの失冠から中10日の対局。7冠の宿命か、第3局も重要対局で、勝てば20年度の奪取以来5連覇。「永世棋聖」の資格は通算5期以上で、藤井にとって自身初の永世称号獲得が懸かった一局となる。
これまで永世称号を獲得した棋士は10人。そのうち永世棋聖は故大山康晴15世名人、中原誠16世名人(76)、故米長邦雄永世棋聖、羽生善治九段(53)、佐藤康光九段(54)の5人で、藤井は6人目を目指す。21歳11カ月で永世称号獲得となれば、中原が持つ23歳11カ月の年少獲得記録の2年更新となる。
信長ら織田家の菩提(ぼだい)寺で知られる万松寺では、22年度棋聖戦第4局以来2度目の対局。藤井が挑戦者の永瀬拓矢九段(31)を3勝1敗で退け、3連覇を達成した。10代でのタイトル獲得期数を歴代最多の9とし、10代最終対局を締めた、相性のいい地元から再出発といきたい。(筒崎 嘉一)