中村靖日さん急死 デビューきっかけは「キングダム」監督との大学での出会い 主演映画カンヌでも高評価

2024年07月14日 18:54

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中村靖日さん急死 デビューきっかけは「キングダム」監督との大学での出会い 主演映画カンヌでも高評価
中村靖日さん Photo By スポニチ
 俳優の中村靖日(なかむら・やすひ)さんが10日、急性心不全のため死去した。51歳。大阪府出身。葬儀・告別式は近親者のみで行った。
 所属事務所は14日、公式X(旧ツイッター)で発表。「急な訃報にご親族並びにスタッフ一同、いまだに現実を受け止めることができない状況でございます」と心境をつづった。そして「中村靖日は、年を重ねても清く透明感がある稀有な存在の役者でした。役者として多くの作品に恵まれましたこと、故人にかわり御礼申し上げます。生前に皆様から賜りました多大なる応援とご厚情に深く感謝し、哀悼の意を表するとともに謹んでお知らせ申し上げます」と記した。

 中村さんは独特の存在感を放つ名バイプレーヤーとして活躍。色白で下がった眉尻が印象に残る外見と演技力で、シリアスからコメディーまでさまざまな役柄を演じ分け、ドラマに映画に引っ張りだこだった。

 映画「運命じゃない人」(05年、監督内田けんじ)で主演。サスペンス要素のあるラブコメディーで、カンヌ国際映画祭批評家週間に正式出品され、国内外から高評価を得た。中村さんが演じた「日本一いい人」と2000万円をめぐる一晩のドタバタ劇を描いたもので、サスペンスながら心温まる部分のある作品の魅力を中村さんがその演技力で見事に表現した。

 デビューのきっかけは、武蔵野美術大学に同時期に通っていた、現在は「キングダム」「GANTZ」「図書館戦争」シリーズなどで知られる佐藤信介監督との出会い。佐藤氏が初めてメガホンをとった16ミリ映画「寮内厳粛」にスタッフ兼俳優として参加。その後、佐藤氏が脚本を手掛けた「ざわざわ下北沢」(00年、監督市川準)などに出演し、俳優の道を歩んでいく。

 NHK連続テレビ小説は「芋たこなんきん」(2007年)、「ゲゲゲの女房」(10年)、「ごちそうさん」(13年)、「エール」(20年)、「舞いあがれ!」(22年)の5作の5作に出演。ドラマではほかにTBS系「闇金ウシジマくん」、フジ「謎解きはディナーのあとで」、TBS「ATARU」など。最近では今年2月に放送したTBS「不適切にもほどがある!」第2話でテレビ局の社内カウンセラー役で登場していた。

 NHK「サラリーマンNEO」でも07年の「Season2」から11年「 Season6」に登場し、お茶の間を笑わせた。

 映画ではほかに、「ジョゼと虎と魚たち」(03年)、「ハッピーフライト」(08年)、「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」(09年)など多数の作品で唯一無二の存在感を示していた。

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