水森かおり 八代亜紀さんの幻の曲「海の子なれば」受け継ぐ 作詞した武田鉄矢が提案 大先輩の思いを胸に

2024年09月12日 05:00

芸能

水森かおり 八代亜紀さんの幻の曲「海の子なれば」受け継ぐ 作詞した武田鉄矢が提案 大先輩の思いを胸に
歌番組などで親交のあった八代亜紀さん(左)と水森かおり Photo By 提供写真
 演歌歌手の水森かおり(51)が、昨年12月に死去した八代亜紀さん(享年73)のために作られた曲を歌う。25日発売のアルバム「歌謡紀行23」に収録される「海の子なれば」。水森は本紙の取材に「心の中にいる八代亜紀さんの思いを引き継いで、今できる精いっぱいを歌に詰め込みました」と力を込めた。
 「母なる海」をテーマにした曲。♪海という字に母がいて 我は海の子なればなり――と、海を見て故郷を懐かしむ光景を歌った切ないミドルナンバー。詞を武田鉄矢(75)、曲を合田道人氏(62)が手がけた。

 昨年春ごろに音源を受け取った八代さんは「母なる海という表現がいいわね」と気に入っていた。だが、9月に膠原(こうげん)病で入院し、そのまま帰らぬ人となった。復帰後にレコーディングを予定しており、合田氏は「まさかこんなことになるとは…」と悲報を振り返った。

 曲も歌い手を失った。それを引き継ぐことになったのが水森だ。今春のBSテレ東の番組収録時、武田から直接依頼を受けた。演歌関係者は「生前の八代さんは水森のことを妹のように気にかけていた」といい、その思いを託すことになった。

 当初は「八代さんの曲を自分が歌うなんて…」と不安があったが、「引き継がなければ」と決断。夏にレコーディングを行った。「曲が八代さんの声で脳内で再生されていました。自分の歌なら歌詞の意味を考えながら歌いますが、今回は音として言葉を紡ぐことを意識しました」。普段とは違うアプローチで歌声を吹きこんだ。

 八代さんは憧れの存在。小さい頃から「愛の終着駅」を歌い、プロになってからも曲をカバーしてきた。私生活で交流はなかったが、歌番組で何度も共演。「いつ会っても温かく包み込んでくれました」と生前の姿を思い浮かべて目を細めた。

 八代さんが歌えなかった曲を引き継いだ。「カバーするよりも断然プレッシャーが大きかった」としみじみ。それでも「八代さんが伝えるはずだった海の景色を、私が届けることができたらこれ以上うれしいことはありません」と思いをはせた。(吉澤 塁)

 ≪「歌で旅する」アルバム≫アルバムは「歌で旅する」がコンセプト。リード曲「三陸挽歌」をはじめ、“ご当地ソングの女王”としてさまざまな地区を舞台にした曲を歌っている。中でも「メープル街道」はカナダを舞台にした失恋ソング。「これまで地中海、ブラジルとかもありましたが、カナダは初めて」と笑みを浮かべた。「水森かおりがツアーコンダクターになったつもりで楽しんでほしいですね」とPRした。

この記事のフォト

おすすめテーマ

芸能の2024年09月12日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム