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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】ウィズコロナ時代に大切な口内ケア習慣
2020年06月27日 12:00
社会
新型コロナの検査といえば、鼻の穴に綿棒を差し込んで、鼻の奥や喉の粘膜を採取するのが一般的ですよね。これは粘膜にあるACE2受容体という突起のような部分にウイルスがくっついて、細胞の中に侵入して感染すると考えられているからです。
このACE2受容体が、実は口の中の粘膜、特に舌にたくさん存在することが分かったそうです。ということは、感染者の飛沫(ひまつ)を鼻から吸い込むだけでなく、口に入った場合も感染リスクは高くなるわけです。阪神の藤浪晋太郎選手ら、感染者が味覚障害を訴えることも多いですが、倉治先生は「舌にACE2受容体が多いということが、その説明にもなる」と話しています。
では感染予防のため、どうすればいいのでしょう。倉治先生が強く勧めるのが「舌苔(ぜったい)の除去」です。舌苔とは文字通り舌の苔(こけ)。表面にできるあの白いものです。舌苔は歯周病菌と汚れのかたまりですが、倉治先生は「そこに新型コロナウイルスが混ざっていることも考えられる」と警戒を呼び掛けます。さあ大変。ACE2受容体とくっつく前に取り除かなきゃ。そこで舌の掃除です。
口臭の原因になるからと舌用ブラシを使っている方も多いかもしれませんが、倉治先生のオススメは口腔ケアシート。図を見てください。倉治先生に教えていただいたシートでのケアの方法です。
まずはシートを4つに折り畳んで指に巻き付ける。両方の頬の内側を拭き取ったら、さあ舌です。シートの使っていないきれいな面を指に再度巻き付けます。舌を思いっきり前に出して、付け根の方から舌先に向かって痛くない程度の力でしっかりと舌苔を拭き取ります。「黄色い汚れが付かなくなるまで」だそうです。
もちろん歯磨きやデンタルフロスと併用するのが理想ですが、倉治先生は「朝起きて、まず口腔ケアシートで拭き取ることが大切」と訴えます。寝ている間は唾液が出ないため「口の中は菌の培養器状態。起床時の口内細菌は就寝前の1000倍になっている」からだそうです。寝る前にも拭いておくと、さらに効果的なんですって。朝1枚、夜1枚ですね。倉治先生は「高齢になってくると入れ歯や差し歯で口の中が複雑。高齢者こそ口腔ケアシートを使ってほしい」と話していました。指先の感覚を頼りに、隅々まで汚れを拭えそうですもんね。
口腔ケアは日本では遅れているテーマだと思うんです。痛いから、怖いからと歯科医に行かない人も多いようですが、それではダメ。私は1カ月に1回くらい行ってますよ。もちろん舌苔のケアも欠かしてません。歯ブラシではなかなか取れないので専用のブラシを使っています。口蓋部分はコロコロと呼んでいるブラシで掃除してます。
歯周病菌は誤嚥(ごえん)性肺炎や糖尿病、骨粗しょう症など高齢者にとって深刻な病気との関係が指摘されています。詳しいことはまた別の回にしますが、とにかく健康は口から。これからの“ウィズコロナ時代”は、いままで以上に口腔ケアが重要になってきます。新型コロナと歯周病菌の関係はまだ解明されていませんが「長い目で見れば、口腔ケアは新型コロナ感染予防の対策になる」と倉治先生。舌苔は絶対に残さない。こんな心構えで始めましょう。
◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の69歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。