カザフスタン出身初の新入幕・金峰山 所要8場所も「本当はもっと早く上がりたかった」

2023年02月27日 14:03

相撲

カザフスタン出身初の新入幕・金峰山 所要8場所も「本当はもっと早く上がりたかった」
新入幕を果たし、番付表を手にする金峰山(左)と木瀬親方(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は27日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。
 新入幕を果たした金峰山(25=木瀬部屋)は東京・両国国技館内で会見を行い「うれしいです」と素直に喜びを表した。デビューから所要8場所での昇進は、三段目付け出しでは豊山の7場所に次ぐ2位のスピード記録。まだ大銀杏(おおいちょう)が結えないほどの出世の早さにも「本当はもっと早く、できれば1~2場所早く上がりたかった」と向上心をのぞかせた。

 カザフスタン出身初の幕内力士が誕生。自身の活躍をきっかけに母国でもっと相撲が発展することを願い「カザフスタンのお相撲さん1人じゃなくて、関取目指してまた何人か若い衆に来てほしい」と呼びかけた。今月中旬には10日間の一時帰国。家族と約1年ぶりに再会して英気を養った。

 1メートル92、174キロの巨体から繰り出す強烈な突っ張りが武器。18歳で来日してから相撲を始めたが、日大4年時には3大会連続優勝を含む公式戦22連勝を記録するなど活躍した。この頃から突っ張りの威力は群を抜いており、大相撲でもそれを磨いてきた。四つに組んでも力を発揮できたが、師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)から「右四つに組まないように、前に出て突っ張るだけ」と指導され、初場所あたりから突き押しに徹することに。初場所13日目には元大関の朝乃山(28=高砂部屋)を相手に土俵際まで押し込んで善戦した。会見に同席した師匠は「突っ張ったときの強さが違う。朝乃山に負けたけど、突っ張っていけばもっていけると自信につながったと思う」と評価。新入幕での勝ち星は「10番ぐらいは」と期待した。

 金峰山は初めて幕内の土俵で戦う春場所へ「まずはケガしないように勝ち越し目指して」と控えめに目標を述べた。大阪場所に臨むのは、幕下優勝した昨年に続いて2度目。「大阪のからあげとかたこ焼きは好きですね。おいしいです」と笑顔を見せ、新入幕の大活躍を予感させた。

 ◇金峰山 晴樹(きんぼうざん・はるき)本名=バルタグル・イェルシン。1997年6月24日生まれ、カザフスタン出身の25歳。元横綱・朝青龍の紹介によって18歳で来日し、日出高(現・目黒日大高)に転入。日大で相撲を始め、3年時に全国学生体重別大会135キロ以上級準優勝、全日本選手権準優勝。4年時に全国学生体重別大会135キロ以上級優勝、東日本学生選手権優勝、全国学生選手権3位。21年九州場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵。22年春場所で幕下優勝。22年秋場所で新十両。23年春場所で新入幕。1メートル92、174キロ。

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