初マラソン日本最高記録の西山 夫人の手製給水ボトルに力もらった「思い切って攻めた」

2023年02月27日 06:00

マラソン

初マラソン日本最高記録の西山 夫人の手製給水ボトルに力もらった「思い切って攻めた」
日本人トップの6位でゴールした西山(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【大阪マラソン ( 2023年2月26日    大阪府庁前~大阪城公園 )】 男子は西山和弥(24=トヨタ自動車)が初マラソンの日本最高記録となる2時間6分45秒をマークし、日本勢最高の6位に入った。35キロ付近からギアを上げて日本歴代7位タイの好タイムをマークし、10月実施の24年パリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」出場権を獲得した。ハイレマリアム・キロス(26=エチオピア)が優勝。女子はヘレントラ・ベケレ(28=エチオピア)が制し、渡辺桃子(24=天満屋)が2時間23分8秒で3位に入った。
 ノーマークの西山が、国内招待選手らを上回って初マラソン日本最高記録をマーク。最後は笑顔でフィニッシュし「(マラソンは)35キロからが苦しいと言われているけど、自分は失うものはないし、思い切って攻めた。本当にうれしい」と充実感に浸った。

 昨年4月に美咲さんと結婚。自身がキツネに似ているとあって、今大会の給水ボトルは夫人の手製でキツネ色などにアレンジされ、手に取るたびに力をもらった。35キロの給水地点では、旧知の池田がボトルを取り損ねたのを見て、自身のものを手渡し。「一緒に(2時間)6分台を目指そうと。“行こう”と意思表示をした」。ギアを上げ、終盤まで海外勢に食らいついた。

 東洋大1、2年時に箱根駅伝で1区区間賞を獲得。しかし後半2年は振るわず、社会人となっても目立たなかった。前回大会で星岳(コニカミノルタ)が優勝した姿に刺激を受けマラソン挑戦を決意したが、昨年9月に英国で開催されたハーフマラソン「グレート・ノース・ラン」で不完全燃焼の10位。憧れの存在で4位となった大迫傑(ナイキ)の走りを見て「(気持ちに)スイッチが入った」。重心を一定に保つフォームに切り替え、練習内容も見直した。

 成果が実ってMGCの出場権を獲得し、今夏の世界選手権の派遣設定記録も突破。パリ五輪への抱負を問われると「そこに関してはまだ考えられていない」と語ったが、日本陸連の瀬古利彦副会長は「新人の活躍で五輪への光が見えてきた」と大きな期待を寄せた。伸びしろたっぷりの若きランナーが代表争いに名乗りを上げた。(西海 康平)

 ◇西山 和弥(にしやま・かずや)1998年(平10)11月5日、大阪府門真市生まれの24歳。5歳で群馬に引っ越し、伊勢崎一中に入学してから陸上を始める。東農大二高を経て東洋大では箱根駅伝に4年連続で出場し、1、2年時に1区で区間賞を獲得。21年にトヨタ自動車に入社。大迫傑に憧れ、趣味はプロ野球観戦でロッテと中日のファン。1メートル67、52キロ。

 ▽24年パリ五輪マラソン日本代表への道 10月15日に東京で開催される代表選考会のMGCで男女それぞれ1位および2位になった選手が内定する。MGC出場権は現在、男子57人、女子28人が獲得。また、MGC後にMGCファイナルチャレンジが行われ、設定記録を突破した記録最上位の1人が内定する。選考基準を満たす競技者がいない場合、MGC3位の競技者が内定する。

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