羽生結弦さん 史上初東京D単独公演で3万5000人酔わせた「GIFT」 「突き進む」表現者の道

2023年02月27日 04:30

フィギュアスケート

羽生結弦さん 史上初東京D単独公演で3万5000人酔わせた「GIFT」 「突き進む」表現者の道
東京ドームでの「GIFT」で演技する羽生さん(C)2023 GIFT Official Photo By 提供写真
 フィギュアスケート男子で昨夏プロ転向した羽生結弦さん(28)が26日、スケーターとして史上初となる東京ドームでの単独公演「GIFT」を開催した。23年初のアイスショーは自身が制作総指揮を務めた絵本のような壮大な物語。さまざまな表情を見せる計12曲の演技を通じて、3万5000人の観客に“贈り物”を届けた。
 2時間半超の物語を走り抜き、万感の思いだった。本編中は一切マイクを握らず魂の演技を見せた羽生さんは、アンコール前に初めて言葉を発した。「本当に一生懸命、頑張らせていただきました!」。満員の東京ドームに語りかけると、万雷の拍手が降り注いだ。

 自身の半生、そしてこれからを描いた絵本のような物語。巨大スクリーンを背にゴンドラで登場し、度肝を抜いた。プロジェクションマッピングなど最新の映像、音響、演出を巧みに使いながら、自身と深く向き合い続ける葛藤を表現した。「皆さんにとってもこういう経験あるんじゃないかなとつづった物語。独りになった時に帰れる場所を提供できたら良いなと思って作りました」と話した。

 北京五輪のSP「序奏とロンド・カプリチオーソ」も演じ、同五輪でミスの出た「因縁のサルコー」など全ジャンプを着氷。これまでとこれからをつなぐ、競技会さながらの迫真の舞。次の夢へ「これからも突き進むんだ、というイメージ」と意図を明かした。

 大舞台に初めて立って感じたのは「自分って、何てちっぽけな人間なんだろう」。それでも異例の挑戦をやり遂げ、フィギュア界に新たな金字塔を打ち立てた。「一人の人間にこれだけの力が集まることはあり得ない。幸せな経験をさせていただいた」。希代のスケーターが紡ぐ人生の物語は、まだまだ続く。

 ≪異例ずくめのショー≫☆単独公演 東京ドームでの単独公演は世界的に見ても異例で、アイスリンクの設営は初めて。4日前の22日から準備した氷は競技会と同じ規格の60メートル×30メートル。

 ☆チケット 2万円台が中心で完売。

 ☆声出し応援 マスク着用しながら声援が可能となった。プロ転向後では初めて。

 ☆豪華布陣 演出は「Perfume」らの作品を手がけるMIKIKO氏と再タッグ。前回の「プロローグ」ではプロジェクションマッピングで好評を博した。「FNS歌謡祭」などで音楽監督を務めたプロデューサーの武部聡志氏が音楽部門を取り仕切り、オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団。

 ☆生配信 国内や香港、台湾、韓国での映画館のライブビューイングでは3万人が視聴。ディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス」での国内独占ライブ配信、海外でのグローバルライブ配信も行われた。

 ☆絵本 「カードキャプターさくら」などが代表作の人気女性漫画家集団「CLAMP(クランプ)」とのコラボレーションで絵本の発売が決定済み。この日の特別新聞でイラストの一部が公開された。

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