新入幕・北青鵬「師匠と一緒に会見できる日が来て凄くうれしい」白鵬との不思議な縁に感慨

2023年02月27日 16:45

相撲

新入幕・北青鵬「師匠と一緒に会見できる日が来て凄くうれしい」白鵬との不思議な縁に感慨
新入幕を果たし、元横綱・白鵬の宮城野親方(右)とともに会見を行う北青鵬(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は27日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。
 新入幕を果たした北青鵬(21=宮城野部屋)は師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)同席の下、東京・両国国技館内で会見を行った。「こうして師匠と一緒に会見できる日が来たことを凄くうれしいと思います」。今から15年前、当時の横綱・白鵬に偶然会って声をかけられたことがきっかけで相撲を始めた少年は、尊敬する大横綱の部屋に入門して幕内まで上り詰めた。「人の縁って不思議」という宮城野親方の言葉からも分かるように、師弟ともども感慨深い思いがあった。

 北青鵬にとって幕内の地位は、入門前からの一つの目標だった。「“自分がここへ行けるのか”という気持ちもありましたし“ここへ早く行きたい”という気持ちもありました」。入門から3場所連続で各段優勝を飾り、高卒では史上1位のデビュー21連勝を記録した。所要8場所で新十両昇進を果たしてから右膝のケガで幕下落ちも経験。足踏みが続いていた分「やっと来れましたね」と昇進を喜び「まだまだ上の番付はたくさんありますし、稽古をたくさんして上がるだけです」とさらなる出世を見据えた。

 北青鵬は2月上旬の身体測定で身長2メートル4を記録。曙、琴欧洲に並ぶ平成以降1位の長身力士となった。その巨体を生かした力強い四つ相撲が得意。「右でも左でも、右の上手を取れば特に自信あります」。時には肩越しの上手一本でも強引に振り回す“規格外”の相撲も見せる。師匠は「大きい人は一歩前に出るだけで技になる。組んで良し、離れて良しもいいのかな」とそのスケールの大きさに期待。「無理にまわしを取りにいくのではなく、しっかり見て突いていけば一つ相撲の幅も広がる」と、四つだけではなく突き押し相撲の可能性も見いだした。

 昨年8月に移転してきた東京都墨田区の宮城野部屋は、旧東関部屋が以前使用していた建物。元横綱・曙が稽古した場所で生活する北青鵬は、突き押し相撲を覚えるために曙の映像を見て研究しているという。「曙関が寝ていた部屋(個室)で今、僕が寝ています」。くしくも全く同じ身長2メートル4の“巨人”は偶然の巡り合わせに不思議な縁を感じていた。

 宮城野親方が部屋を継承してから初めての新入幕。「一つの恩返しができたと思って、また次の恩返しとして今年中に三役を目指します」と目標を語ると、師匠から「まだ恩返しになってないでしょ。勝ち越して三賞獲って恩返しですからね」と突っ込まれた。新入幕場所で12勝を挙げて敢闘賞を受賞した大横綱からの厳しい“指令”を受けた北青鵬は苦笑い。「まずは勝ち越して、2桁勝って三賞を獲れるように頑張りたい」と力を込めた。

 ◇北青鵬 治(ほくせいほう・おさむ)本名=アリューナー・ダワーニンジ。2001年(平13)11月12日生まれ、北海道札幌市出身の21歳。幼少期はモンゴルで過ごし、5歳の頃に来日。小1から札幌相撲スポーツ少年団で相撲を始め、鳥取西中へ相撲留学。鳥取城北高2年時に全国選抜弘前大会2位、全国高校選抜大会3位。3年時に全国高校金沢大会2位、全国選抜十和田大会3位。宮城野部屋に入門し、20年春場所で初土俵。同年名古屋場所で序ノ口優勝。同年秋場所で序二段優勝。同年11月場所で三段目優勝。デビューから21連勝は高卒では史上1位の記録。21年名古屋場所で幕下優勝。同年秋場所で新十両。その後、右膝のケガで幕下陥落を経て22年名古屋場所で再十両。23年春場所で新入幕。2メートル4、177キロ。

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