池江璃花子 横浜ゴム契約との舞台裏 スポンサー探しの枠を超え引退後も働きたい会社へ

2023年04月04日 20:03

競泳

池江璃花子 横浜ゴム契約との舞台裏 スポンサー探しの枠を超え引退後も働きたい会社へ
<第99回日本選手権水泳競技大会 1日目>女子100メートルバタフライ決勝で優勝を果たした池江(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 【競泳日本選手権 ( 2023年4月4日    東京アクアティクスセンター )】 4日開幕した競泳日本選手権の女子100メートルバタフライで池江璃花子(22=横浜ゴム)が57秒68で優勝。世界選手権(7月、福岡)の日本代表に内定し、個人種目では17年世界選手権(ブダペスト)以来6年ぶりの世界切符を手にした。
 3月に日大を卒業し、4月から新社会人生活をスタート。横浜ゴムとの所属契約発表会見では「社会のことを学び、人間として成長したい」と抱負を述べた。契約締結までの舞台裏をひも解くと、その高い志が鮮明になる。スポンサー探しの枠を超え“現役引退後も働きたい会社”をコンセプトに複数企業と接触。横浜ゴム側との最初の面談は昨年9月だった。

 当時の本社があった都内で山石昌孝社長ら幹部から会社説明を受けた。男性しかいなかったため、池江は女性社員との面談をリクエスト。昨年11月に平塚製造所で技術系、事務系など幅広い職種と年代の女性社員4人とさっくばらんに話し合った。女性社員が生き生きと語る姿に感銘を受け、その後は技術開発部門の職場を見学。趣味がドライブで車好きという面も後押しし、昨年12月下旬に契約締結の決断を下した。

 今後は競技活動を最優先した上で、日程が合えば新人研修にも参加する意向だ。植樹、栽培漁業などの社会貢献イベントに加え、横浜ゴムが出展するオートショーや各種イベントで会社紹介や商品紹介などの説明員を務めることなども検討されている。茨城県と北海道にあるタイヤテストコースでの運転にも興味を示す。
 宮本知昭常務は「スポンサー探しではなく、就職活動を真剣にしている印象を受けた。意思の伝え方が上手く、トップスイマーじゃなくても採用したい取人材」と強調。15~20年に横浜ゴムはサッカープレミアリーグの強豪チェルシーの胸スポンサーを務めたが「企業ロゴの露出だけでなく、池江さんは自分の言葉で発信できる。社外への弊社のPRはもちろん、社員のモチベーションアップにもつながる」と期待を込めた。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年04月04日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム