林享氏の目 後半逆転レース巧者の池江 改良中のスタートでスピードに乗る

2023年04月04日 19:58

競泳

林享氏の目 後半逆転レース巧者の池江 改良中のスタートでスピードに乗る
<第99回日本選手権水泳競技大会 1日目>女子100メートルバタフライ決勝で優勝を果たし、ガッツポーズの池江(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 【競泳日本選手権第1日 ( 2023年4月4日    東京アクアティクスセンター )】 100メートルバタフライで優勝した池江は、予選では力強さがないようにも見えたが、決勝ではしっかり合わせてきた。予選1位の相馬がバテてタイムを落としたこともあったが、ラスト5メートルで逆転して派遣記録も突破した。レース巧者だった。
 持ち味である後半は一番いい時に近い泳ぎができている。前半に関してはまだ少し抑え気味で、今は自分の泳ぎを探しているところだろう。スタートの改良はその一つ。入水角度を深くすることで、浮き上がる際にかかる浮力を利用して泳速につなげることができる。決勝のスタートの浮き上がりではうまくスピードに乗れていた。初日に一つ勝って代表を決めたことは大きい。勢いがついて、50メートルバタフライや自由形にも期待が持てる。

 女子200メートル個人メドレーの成田は大橋に勝っての優勝で自信につながる。背泳ぎを得意とするが、その得意種目ではあえてテンポを上げずに力を貯めて、後半の平泳ぎと自由形で爆発的な力を出した。考えられたペース配分だった。伸びしろがたくさんある楽しみな選手だ。

 400メートル個人メドレーの瀬戸はもともと得意な平泳ぎがワンランク強くなった印象だ。肘をたてて腕全体を使って水をキャッチできている。今回は個人メドレーだけでなく、200メートル平泳ぎにもエントリーしており、こちらも楽しみだ。(92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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