岩井千怜 姉・明愛と史上初姉妹プレーオフ 美夢有との三つ巴制し3勝目!母の日に「最高のプレゼント」

2023年05月15日 04:30

ゴルフ

岩井千怜 姉・明愛と史上初姉妹プレーオフ 美夢有との三つ巴制し3勝目!母の日に「最高のプレゼント」
プレーオフを戦った姉の明愛とハグする岩井千怜(右)=撮影・中村 達也 Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアー RKB×三井松島レディース最終日 ( 2023年5月14日    福岡県 福岡CC和白C=6299ヤード、パー72 )】 岩井ツインズの妹・千怜(ちさと)が、通算11アンダーで並んだ姉・明愛(あきえ、ともに20=Honda)と山下美夢有(21=加賀電子)とのプレーオフを2ホール目で制して今季初、ツアー通算3勝目を手にした。姉妹によるプレーオフはツアー史上初で、明愛のKKT杯バンテリン・レディースに続く同一シーズン姉妹優勝も史上初めて。最終ラウンドの千怜は4打差7位から7バーディー、ボギーなしでこの日ベストの65をマークして追いつき、鮮やかな逆転Vとなった。
 一緒に最終日最終組で優勝争いをすることが夢だった。そのV争いが2人にとって初となるプレーオフで現実となり、千怜は思った。「こんなにも凄いことが起きていいの」。プレーオフ2ホール目、2メートルのバーディーパットを沈めて優勝を決めると、ふ~っと息を吐いた後に満面の笑みでガッツポーズ。ゴルフ史に残る対決を制してつかんだ、今季初勝利だった。

 「本当に幸せな時間。一つの夢がかなった。今も信じられない気持ちが大きいです」

 この日ベスト65で4打差を追いつき、3人によるプレーオフに持ち込んだ。過去には「2人でプレーオフができたら最高だね」と話したこともある。

 18番パー5でのプレーオフ2ホール目、第1打はくしくも姉妹で1ヤード隣に並んだ。先に明愛が1Wで2オンを狙う姿を見て「そっか、ドライバーもありだ」とひらめいた。試合で初めての“直ドラ”で、同じように1Wでグリーン手前まで運んだ。そして残り25ヤードを58度でより近くに寄せ、勝利につなげた。

 今季は4月に明愛が初優勝。自身は2度の2位と優勝に一歩届かなかった。悔しさで涙を浮かべたこともあったが「へこたれるもんか」と自分に言い聞かせた。父・雄士さん(50)は「千怜は努力家」と明かす。明愛がこなす腕立ての回数を、千怜は最初できない。それでも歯を食いしばり、同じ回数をできるようになったという。その姿勢は今も同じ。コツコツと最も練習を重ねたアプローチが、この日につながっていた。

 14日は母の日。現地で観戦した母・恵美子さん(48)は「最高のプレゼントをありがとう、という思い」と語った。公務員だった父とともに看護師の仕事をしながら、家事もこなしてゴルフを応援してくれた母。千怜は「何かプレゼントしたことはなかったけど…」と照れながら、「母の日に優勝できて最高のプレゼントになったかな」と胸を張った。

 ≪主なきょうだい優勝争い≫男子ゴルフツアーでは89年9月のジーン・サラゼンジュンクラシックで、最終日に9アンダーで並んだ尾崎健夫(兄)と、直道(弟)がプレーオフに突入し、2ホール目で健夫が制した例がある

 その他の競技では男子マラソンで双子の宗茂(兄)と猛(弟)が85年10月、北京国際マラソンでトップ争いを繰り広げ、2時間10分23秒の同タイムでゴール。茂が優勝し、猛が2位だった。大相撲の若乃花(兄)、貴乃花(弟)は95年11月の九州場所で12勝3敗で並び、優勝決定戦へ。若乃花が下手投げで勝った。
 
 また、スピードスケート女子の高木菜那(姉)と美帆(妹)は22年北京五輪の女子1500メートルで争い、美帆が銀、菜那は8位入賞。海外では女子テニスのウィリアムズ姉妹が4大大会のシングルス決勝で9度対戦し、姉ビーナスが2勝、妹のセリーナが7勝という例もある。

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