女子複合決勝で19歳の森秋彩が銅 パリへ上りつめた!東京五輪代表落ち糧に男女で初内定

2023年08月13日 04:50

スポーツクライミング

女子複合決勝で19歳の森秋彩が銅 パリへ上りつめた!東京五輪代表落ち糧に男女で初内定
女子複合決勝、リードの森秋彩=ベルン(共同) Photo By 共同
 【スポーツクライミング世界選手権第10日 ( 2023年8月11日    スイス・ベルン )】 女子複合決勝が行われ、森秋彩(あい、19=茨城県連盟)が合計140.6点で銅メダルに輝き、3位以内に与えられる来年のパリ五輪出場権を獲得し、代表に決まった。スポーツクライミングの日本勢でパリ五輪代表に決まったのは、男女を通じて初めて。東京五輪銀メダルの野中生萌(26)は7位。同五輪女王のヤンヤ・ガルンブレト(24=スロベニア)が177点で優勝した。

 得意のリードで巻き返し、森が五輪切符を手にした。ボルダーを終えて表彰台圏内との差は約25点。逆転できるかは微妙な状況だったが「完登を目指せば結果はついてくる」と迷いはなかった。言葉通りにトップ(最高点)まで肉薄。4位とは1手分という僅差で銅メダルを引き寄せた。

 ボルダーで1完登にとどまり6位と出遅れたが「できることをやって、結果はその次」と開き直った。リードではテンポ良く手足を動かし、高度を上げる。トップへの最後の一手こそ空を切ったが、8人のうちで最高の高度をマークし「大事な場面でも(力を)しっかり出し切れた」とうなずいた。

 19~20年には、五輪切符を巡って騒動に巻き込まれた。東京五輪の出場資格を巡り、日本協会と国際連盟が対立。出場の可能性があった森も当事者として巻き込まれ、20年12月に出たスポーツ仲裁裁判所の裁定結果で代表落ちとなった。「やっぱり、あの悔しさは大きい。原動力になった」とも語ってきた19歳。今年4月の複合ジャパンカップで2連覇を飾って世界選手権への出場を決め、パリへの道も切り開いた。

 この日、メダル獲得を確信すると喜びもそこそこに、頂上を見つめて完登を逃した悔しさをあらわにした。求道者の雰囲気も漂うクライマーは「出るとなったら狙うは金」と来年のパリ五輪を見据えた。

 ◇森 秋彩(もり・あい)2003年(平15)9月17日生まれ、茨城県出身の19歳。小学1年で競技を始める。リードを得意とし、19年の世界選手権の同種目で銅メダルを獲得。W杯では22年に初優勝し、複合と合わせて3勝を挙げている。今回の世界選手権のリードで日本女子として初の金メダルを獲得。筑波大2年在学中。1メートル54センチ。

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