【ラグビーW杯】控えSO不在、松島のウイング配置　ジョセフHCの奇策か苦渋か　チリ戦メンバー発表

2023年09月08日 18:52

ラグビー

【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組日本―チリ（ 2023年9月10日トゥールーズ）】ラグビー日本代表は8日、W杯初戦となるチリ戦（日本時間10日午後8時開始）の登録メンバー23人を発表。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ（HC）は10番には松田力也（埼玉）を起用する一方で、昨年から司令塔を争ってきた李承信（神戸）をベンチ外に。また8月15日のW杯登録メンバー発表の会見では主戦FBとして期待していた松島幸太朗（東京SG）を右ウイングに配置するなど、思い切ったセレクションを断行した。

　奇策か、あるいは苦渋の配置なのか。松田の先発について問われたジョセフHCは、「松田の経験を買った。コンディションはどんどん上がっているし、流、（中村）亮土とのコネクションもいい」と説明。リザーブには本職のSOがいない状態だが、李を外したことについては「まだまだこれからの選手で、（大会が）進めば大事な選手になることは間違いない。今はプレッシャーを軽減して、今やるべきことを理解してもらいたい」と話した。

　松田が左膝前十字靱帯（じんたい）断裂のケガで代表に不在だった昨年、一気に頭角を現したのが李。W杯イヤーに入って松田が復帰したものの、前哨戦6試合中、過半数の4試合で先発起用されたのが李だった。しかし思うようにゲームコントロールできず、本来は成功率の高いキックも不調。松田も絶好調とは言えないまま本番前最後の試合だったイタリア戦を終えたが、最終的には前回大会も経験している松田を10番に据え、李をベンチからも外すサプライズとなった。

　19年大会代表のFB山中亮平（神戸）が落選し、8月には主戦FBとして起用することを明言していた松島に関しても、過去2大会と同じウイングでの先発起用を決めた。その理由についても「FBならもうちょっとしゃべってもらいたい」と説明。3人の連携が肝となるバックスリーとして、コミュニケーションが不足していることを言外ににおわせた。

　マシレワが15番起用されるのは21年10月のオーストラリア戦以来、代表では2年ぶり2度目。他にも今季は代表戦の出場がないレメキ・ロマノラヴァ（東葛）のリザーブ入り、渡欧後に追加登録されたフランカー下川甲嗣（東京SG）の先発起用など、随所にサプライズを配したジョセフHC。吉と出るか凶と出るか、答えは2日後に明らかになる。

　▽日本代表登録メンバー
　1　稲垣　啓太（埼玉）
　2　坂手　淳史（埼玉）
　3　具　智元（神戸）
　4　ジャック・コーネルセン（埼玉）
　5　アマト・ファカタヴァ（BR東京）
　6　リーチ・マイケル（BL東京）
　7　下川　甲嗣（東京SG）
　8◎姫野　和樹（トヨタ）
　9　流　大（東京SG）
　10　松田　力也（埼玉）
　11　ジョネ・ナイカブラ（BL東京）
　12　中村　亮土（東京SG）
　13　ディラン・ライリー（埼玉）
　14　松島　幸太朗（東京SG）
　15　セミシ・マシレワ（花園）
　16　堀江　翔太（埼玉）
　17　クレイグ・ミラー（埼玉）
　18　ヴァル・アサエリ愛（埼玉）
　19　ワーナー・ディアンズ（BL東京）
　20　福井　翔大（埼玉）
　21　斎藤　直人（東京SG）
　22　長田　智希（埼玉）
　23　レメキ・ロマノラヴァ（東葛）
　※◎は主将