ボディビルダーの食事方法|1日何食、カロリーは?減量期・増量期のポイント

2023年09月08日 09:00

ボディビルダーの食事方法|1日何食、カロリーは?減量期・増量期のポイント
鍛え抜かれた肉体、力強い筋肉、そして見事なシルエット。ボディビル大会へ挑むボディビルダーたちは、その魅力的な姿勢と体格で私たちを魅了します。しかし、その背後には鋼のような意志と計画的な食事戦略が存在します。 今回は、ボデ […]

鍛え抜かれた肉体、力強い筋肉、そして見事なシルエット。ボディビル大会へ挑むボディビルダーたちは、その魅力的な姿勢と体格で私たちを魅了します。しかし、その背後には鋼のような意志と計画的な食事戦略が存在します。

今回は、ボディビル大会に参加しようと考えている初心者向けに、減量期から増量期、1日の食事回数からカロリー摂取量まで解説。教えてくれたのは、イギリスのスポーツ栄養ブランド「MYPROTEIN(マイプロテイン)」公式YouTubeにて栄養に関する動画を発信している、管理栄養士の小野寺巧さんです。

監修者プロフィール

小野寺巧


管理栄養士。マイプロテインの公式YouTubeにて様々な栄養に関する動画を発信中。
URL: https://youtube.com/@MyproteinJP

ボディビル大会に出るための食事方法。バルクアップするためのPFCバランスとは

──ボディビル大会初心者に向けた、食事方法の基本メソッドとは。バックアップに向けたPFCバランスや注意点など教えてください。

食事方法の基本メソッドとして、まずPFCバランスを意識し、タンパク質は15〜20%、脂質は20〜30%、そして炭水化物は50〜60%に近づけた食事をとることです。

また、バルクアップをする際は、『ダーティバルク』『クリーンバルク』『リーンバルク』の三種類が存在するので、それぞれの知識を身につけることが大切です。

ボディビルダーの食事回数はなぜ多いのか

──食事を分けて食べるボディビルダーをよく見かけますが、なぜ1日何食も食べるのでしょうか。

1日3食では栄養不足の時間が生まれてしまうため、平均5〜6回食事をとるボディビルダーが多いです。

また、血中アミノ酸濃度の他にも、ビタミンやミネラルは尿や汗で体外に排出されやすいため、野菜やサプリメントからこまめに摂取する必要があります。

1日何食がベスト? 食事回数と食べるタイミング

──では、具体的には1日何食に分けて食べるとよいでしょうか、また食べるタイミングはいつがおすすめですか?

最適な食事回数は、1日平均5〜6食相当がベストかと思います。理由としては、筋肉を効率よく増やすためには常に体の中に栄養が充足している必要があるためです。とくに、血中アミノ酸濃度が低下してしまうと筋肉量の減少に繋がるおそれもあります。

また、この血中アミノ酸濃度はタンパク質摂取後の約3時間後にピークに到達し、その後低下していきます。これにより、理想としては約3時間毎の栄養補給が必要となるので、1日3食ではなく平均5〜6回、食事をとることを推進します。

各食事のタイミングとしては、朝昼夕の3食は必ず食べることを基準とし、追加で間食をとるように1日の食事スケジュールを組むことがベストだと思います。

増量期における食事戦略。体を大きくするために必要なカロリーや栄養バランスとは

──増量期においては、どのくらいのカロリーを摂ればよいでしょうか? 栄養バランスで気をつけるポイントも教えてください。

増量期は「1日の消費カロリー+500kcal程度」で増量可能と言われています。

しかし、当たり前のことですが人間の体は皆それぞれ異なるため、+500kcalでも目に見える増量に繋がらない場合もあります。

そういった場合は、普段の食事におけるPFCバランスを見直すことや、追加する500kcal分の食事内容の見直し(たとえば、タンパク質や脂質、炭水化物のうちどれをメインとするのか)を行う必要があります。

よく誤解されがちな認識として、『増量するために、一度太ってから脂肪を落とす!』という考え方があります。

実際にボディビルダーの方の増量期を見ると、体に脂肪がついて太っているように見えることがあります。しかしながらこれは、筋肉が落ちないよう常に消費カロリーよりも摂取カロリーが上回るような“正しい食生活”を送った結果として脂肪がついています。

そのため増量期は、『一度太って脂肪を落とす!』のではなく、『脂肪がついてしまうくらいバランスのいい食事をたくさん食べる!』の認識が正しいと考えています。

減量期における食事戦略。体を絞るときのカロリーや栄養バランスの考え方

──では、逆に体を絞る減量期について。カロリー摂取の目安と栄養バランスのポイントを教えてください。

減量期の大きな目標としては、体脂肪を減らしつつ筋肉量をできるだけ維持することです。初心者が陥りやすい失敗としては、脂肪も筋肉も落ちてしまうパターンです。

対策として、まずは筋肉が落ちないよう、タンパク質は増量期と変わらず多めにとること。とくに肉類は、脂質の少ないものを選ぶ必要があります。

減量をする際は、摂取カロリーよりも消費カロリーが上回る必要があります。一般的に脂肪を約1kg落とすのに必要な消費カロリーは、約7200kcal分と言われています。

7200Kcalと聞くと多いと感じてしまうかも知れません。しかし、1か月(30日)で割ると1日約240Kcal分、消費カロリーよりも摂取カロリーを下回るように食事を摂るだけで良いのです。

コンビニ食材でおすすめは?

──コンビニで買うとしたら、どんなものがおすすめでしょうか。

サラダチキン、豆腐バー、プロテインバー、焼き魚など。

ボディビルダーにおすすめのサプリメント

──サプリメントを摂る場合、どんな栄養素がおすすめでしょうか。

プロテインドリンクやEAA、BCAA、HMBが代表例ですが、あわせてビタミンやミネラルを摂取することも大切です。

男性と女性では食事戦略は異なるのか

──男女ごとに大会がありますが、性別で食事戦略に違いはあるのでしょうか?

男女間での大きな食事内容の違いはありません。ですが、女性は男性よりも鉄分を多く補給する必要があると考えます。

女性は、男性よりも鉄分が失われやすく貧血になる可能性が高まるからです。

鉄分は生理でも失われますが、強い負荷のトレーニングや長距離ランニングでも鉄の需要が増えてしまうため、男性よりも鉄分の補給に注意が必要となります。

他にも、減量期は栄養不足による肌荒れや髪の毛のパサつきが目立つかと思いますので、その場合はアミノ酸の補給をおすすめします。

1週間の食事例は個人によって異なる!


──サンプルとなる1週間の食事メニューはありますか?

ボディビルダーの食事例は、増量期・減量期・大会前、それぞれの時期など人によって異なるため、ボディビル大会に出場されている方の大会前や普段の食事動画などを参考にすることがおすすめです。

ちなみにボディビルダーの食事方法を真似することで、飲み会や遊びに行き難くなってしまったり、食費の負担が大きいという懸念点は考えられます。

「ボディビルダーは内蔵がボロボロ」……噂の真相は?

──ボディビルダーはプロテインを飲みすぎて内臓を悪くしやすいという噂がありますが、可能性としては大きいでしょうか。

たしかに、増量期や減量期は食事量が圧倒的に多くなったり、タンパク質の過剰摂取により内臓にかかる負担がかかることは事実です。

ですが、しっかりとビタミンやミネラルを補給しつつ、増量に必要とされるタンパク質量の2~3倍など極端な食事を摂らないように注意することで予防することは可能です。

むしろトレーニングはアンチエイジングに繋がるため、メリットのほうが大きいのではないかと考えています。


記事協力 マイプロテイン https://www.myprotein.jp/

<Edit:編集部>

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