128年ぶり目指す クリケット 試合中にティータイムも 日本代表の中心は元プロ野球選手

2023年10月11日 04:44

五輪

128年ぶり目指す クリケット 試合中にティータイムも 日本代表の中心は元プロ野球選手
クリケット中心選手の木村昇吾 Photo By スポニチ
 28年ロサンゼルス五輪の大会組織委員会は9日、追加競技候補として野球・ソフトボール、フラッグフットボール、ラクロス、スカッシュ、クリケットの5競技を国際オリンピック委員会(IOC)に提案したと発表した。
 正式採用となれば1900年パリ五輪以来、実に128年ぶり。日本クリケット協会の宮地直樹事務局長(45)は「五輪は注目度が高い。競技を知ってもらういい機会。総会で正式採用されることを期待している」と声を弾ませた。日本ではマイナー競技に分類されるが、インドなど英連邦の国での人気は絶大。同協会によれば世界の競技人口はサッカーに次ぐ約3億人という。トップ選手はスポンサー収入を含めて数十億円を稼ぐ巨大スポーツだ。

 00年ごろから五輪種目採用の動きがあったが、人気プロリーグを抱えるイングランド、オーストラリア、インドなどの強豪国が、選手のケガのリスクや五輪期間中のリーグ中断による損失などを理由に反対。ここ数年で、総合競技大会に対する理解が進み、今秋のアジア大会にインドが初参戦するなど国際クリケット評議会が一丸となった経緯がある。

 伝統的なルールでは試合中にティータイムや食事を挟み、終了まで数日かかることも珍しくないが、現在主流の「T20形式」の試合時間は約3時間。試合の高速化も追い風となった。男子日本代表の最新の世界ランクは50位。アジア大会は1次リーグで敗退した。プロ野球の横浜、広島、西武でプレーして17年に転向した木村昇吾(43)が中心選手。五輪に採用されれば、国内でも一気に知名度が増す可能性を秘めている。

 ▽クリケット 野球の原型といわれる球技。起源は諸説あるが、13世紀に羊飼いの遊びとして始まったとされるのが最も一般的。インドなど英連邦諸国で高い人気を誇り、ファンは10億人を数える。トップ選手の稼ぎが多いことでも知られ、20年には米誌フォーブスがビラット・コーリ(インド)の年収を2600万ドル(現在のレートで約39億円)と伝えた。1チーム11人。1900年パリ五輪では2チームで争われた。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年10月11日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム