「自分はメンタル不調に陥らない」と思う人、26.8%!その理由とは

2023年10月11日 09:00

「自分はメンタル不調に陥らない」と思う人、26.8%!その理由とは
年々高まるメンタルヘルスケアへの関心度。厚生労働省「患者調査」による精神疾患を有する総患者数は、2002年の258万人から15年間で1.6倍の419万人に増加しており、体だけでなく心の健康も重要視される時代となりました。 […]

年々高まるメンタルヘルスケアへの関心度。厚生労働省「患者調査」による精神疾患を有する総患者数は、2002年の258万人から15年間で1.6倍の419万人に増加しており、体だけでなく心の健康も重要視される時代となりました。

そういった中でも、「自分はメンタル不調に陥らない」と考える人も当然います。

今後自分は、メンタル不調を経験すると思う?思わない?それぞれの意見を調査

オンラインカウンセリングサービス「Unlace(アンレース)」を運営する株式会社Unlaceが行った調査結果(※)によると、「今後自分が、治療を必要とするほどのメンタルの不調を経験すると思うか」という質問には、全体の約半数(47.3%)が「今後経験すると思う」と回答しました。

その理由として「悩みやすい性格」「ストレスにうまく対処する方法が分からない」「誰でもなり得るものだと思う」などが挙げられています。

26.8%の人は「経験しないと思う」と回答

一方、「おそらく経験しないと思う」「絶対に経験しないと思う」と回答した人は、全体の26.8%。

その理由は「ストレスにうまく対処する方法を知っているから」「過去に経験したことがないから」「悩みを吐き出せる人がいるから」などが挙げられていました。

メンタル不調を患った人へのイメージも調査

「治療を必要とするほどのメンタルの不調を患った人にどのようなイメージがありますか?」という質問には、「真面目」「責任感が強い」がもっとも多かったとのこと。

ネガティブな印象に近い「ストレスに弱い」や「本人の考え方や性格に偏りがある」などを上回っている結果となりました。

なお、「この2〜3年で、あなたの知人・友人・同僚で、うつなどの精神疾患を経験した人はいましたか?」という質問には、約4割(38.8%)が周りにいると回答。

身近にいるからこそメンタル不調への解像度が上がり、ネガティブな印象に近い回答は少なくなったのかもしれませんね。

調査結果サマリー

ほか、調査結果は以下となっています。

  • 「今後自分がメンタル不調を経験しそう」約半数(47%)で「経験しないと思う」を上回り、とくに15歳〜29歳は半数を超えている。理由は「悩みやすい性格」「ストレスにうまく対処する方法が分からない」「誰でもなり得るものだと思う」
  • 全体の約4割が「周りに心の病を患った人がいる」
  • 全体の約4割が「ここ数年でメンタルヘルスが重要と思うようになった」と回答し、理由は「ストレスをためないため」「プライベートを充実させたい」がトップで年齢や性別に大きな差はなし
  • 全体の約4割、中でも20代の約半数が精神科や心療内科の利用経験あり
  • メンタル不調を患った人へのイメージは「メンタルが弱いから」より「真面目」「責任感が強い」が多数
  • 全体の約6割が「カウンセリング・精神科や心療内科」を利用してみたい
  • 心の不調を患った人の約9割が「家族や友人に話した」経験がありその中で約6割が通院前に行っている

(※)「心の病に関する経験・意識調査」概要
<調査の方法>インターネット調査 
<調査対象者>全国15歳〜49歳
<有効回答数>1132名(男性:557名、女性:575名) 
<調査実施日>2023年09月6日~2023年09月13日

調査結果に対し、Unlaceでカウンセリングを提供している臨床心理士・公認心理師のコメントも届いています。

臨床心理士・公認心理師のコメント

公認心理師 石井 真由美氏


全体の約4割が「メンタルヘルスが重要だと思うようになった」ことは、SNSの普及によって、精神疾患を抱えている人の体験談や、精神科医の解説動画など、メンタルの悩みについて考えるきっかけや、自分だけじゃないんだという感覚を持つ人が増えたことが大きな要因としてあると考えられます。

若い世代は、学校にスクールカウンセラーが在籍しているため、悩みを相談するという術を早くから獲得できるようになったのも変化の一つになっているのではないでしょうか。

公認心理師 山口 徹平氏


コロナや円安、(働く人々にとっては)M&Aなど、自分でコントロールできない外的要因が増えているから、『すぐに経験すると思う』、『いつか経験すると思う』が47%を超えているものと考えられます。

約半数の20代が精神科や心療内科の受診経験があることついて、会社側がハラスメントについて必要以上に意識をしているため、20代に限らず、上司に相談し辛い、上司も相談に乗り辛い傾向があると思います。

心療内科の数が増加していることもあり、従業員にとって、精神科・心療内科が、より身近なものになっていると感じます。

臨床心理士 空閑 由氏


約半数が「今後自分がメンタル不調を経験しそう」という結果について、こちらは意外でした。

もっと「他人事」として捉えられていることが多い印象でしたが、「明日は我が身」という意識をもっている方が多くなったということだと思います。

ただ、相談者様・クライアント様から、周囲からの偏見をお悩みとして語られる頻度は変わっていない気がします。

「全体の約4割、中でも20代の約半数が精神科や心療内科の利用経験あり」について、ひとつは、20代が精神疾患の好発年齢であることも関係しているかと思います。

しかし全体でも半数近く受診経験があるということは、それだけアクセスしやすさ、受診の選択肢が増えていると言えると考えます。

<Edit:編集部>

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