【朝の筋トレ】は危ない?「筋肥大に効果的」という噂も[理学療法士監修]

2023年12月25日 09:00

【朝の筋トレ】は危ない?「筋肥大に効果的」という噂も[理学療法士監修]
体づくりやダイエットのために筋トレをしようと思っている人の中には、「忙しいから朝しか筋トレできない!」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。しかし、朝に筋トレをすると危ないという噂も……。 そこでこの記事では、朝に筋ト […]

体づくりやダイエットのために筋トレをしようと思っている人の中には、「忙しいから朝しか筋トレできない!」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。しかし、朝に筋トレをすると危ないという噂も……。

そこでこの記事では、朝に筋トレを行っても良いのか理学療法士さんに聞いてみました。

▼ 目次

朝の筋トレは体に良い?朝筋トレのメリット
「朝の筋トレは危ない」という声も。よくない理由は?
「朝筋トレは筋肥大しやすい」って本当?
朝筋トレは「食事前」にやっても大丈夫?
朝筋トレは「起きてから何時間後」にやるべき?
朝筋トレのおすすめメニュー
朝筋トレの効果を高めるポイント
筋トレを朝に行う時の注意点

朝の筋トレは体に良い?朝筋トレのメリット

朝に筋トレすると、その日1日の代謝が上がって、カロリー消費がされやすくなるので、ダイエットしたい人には特におすすめ。また、脳が活性化され、仕事や勉強の集中力がアップしたり、夜の睡眠の質が上がったりと、メリハリのある1日を送れるでしょう。朝筋トレのメリットを1つずつ詳しく解説します。

メリット① 1日の代謝が上がり、痩せやすくなる

朝筋トレのメリット

朝に筋トレを行うと、その日1日の代謝が上がりやすくなります。代謝が上がるとカロリーが消費されやすくなるので、同じ活動量でも消費カロリーが増えて痩せやすくなります。

ダイエット目的で筋トレをしている人は、朝に行う方が効率的にダイエットできると考えられます。

メリット② 脳が活性化して集中力アップ

朝筋トレのメリット

筋トレで体を動かすことによって、以下の効果が期待できます。

  1. 血行が促進される
  2. 全身に酸素やエネルギーが行き渡る
  3. 体や脳が活性化する

つまり、朝に筋トレすると、起床時のリラックスした状態から、活動的な状態になるということ。そのため、集中力がアップしやすく、仕事や勉強、家事などが捗るでしょう。

また、トレーニングを行うと喉が乾き、水分を多く摂取します。体内に十分な水が吸収されると、体内に溜まった老廃物が尿や便で排出され、血液循環が改善し、体や脳が活性化(最適化)されるということも考えられます。水分は筋肉に必要な栄養を届ける働きもあるため、結果として筋肥大にも効果的です。

メリット③ 睡眠の質が上がる

朝筋トレのメリット

朝に筋トレを行うことで、体に程良い疲労感が加わります。そのため、夜になると自然と眠くなり、睡眠のサイクルが整い、睡眠の質が高まるでしょう。

睡眠の質が高まってぐっすりと眠れると、朝の目覚めも良くなり、早寝早起きの習慣が身に付きやすくなります。

「夜に筋トレした方が疲れてぐっすり眠れるんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、寝る前に筋トレすると、脳や体が活性化して寝つきが悪くなってしまいます。

メリット④ 習慣化しやすい

筋トレは継続することが大事。しかし、夜にやろうとすると、残業や急な飲みの誘いなどで帰りの時間がバラバラになりやすく、習慣化するのが難しいことがあります。また、仕事の疲れから「今日はいっか」と諦めてしまうことが増え、そのままやらなくなってしまうことも……。

その点、朝は周りの影響を受けずに筋トレに集中しやすいです。はじめは、早起きがつらいかもしれません。しかし、先述の通り、朝の筋トレによって睡眠の質が上がって目覚めが良くなれば、早起きもつらくなくなるはずです。

「朝の筋トレは危ない」という声も。よくない理由は?

「朝の筋トレは危ない」というのは、合っていると言えます。

というのも、起床直後は、体や脳が完全に覚醒していないため、集中力が低下した状態です。また、朝は体温が低く、筋肉が温まっていないため、この状態でトレーニングを行うと不注意の事故や怪我のリスクが高まります。

また、朝は脱水状態になりやすいため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。朝に筋トレを行う際は、水分と栄養を摂取した上で、ウォーミングアップを十分に行うなどして、こうしたリスクを予防すると良いでしょう。

「朝筋トレは筋肥大しやすい」って本当?

朝の筋トレは筋肥大しやすいという情報は、一般的ではありません

とはいえ、確かに、朝は夜に比べて集中力が高い状態であるため、筋肉に対してより良い刺激、追い込みができるのかもしれません。(自分自身の経験談になりますが……)

分かりやすい筋肥大を目指すのであれば、

  • 筋トレの回数と重量を増やし、徐々に刺激を大きくする
  • バランスの良い食事を摂る

などのことを意識しましょう。

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朝筋トレは「食事前」にやっても大丈夫?

朝筋トレを、食事前にやるのはNGです。

起床後は、体のエネルギーが不足している状態。そんな状態で筋トレをしても、筋肉を大きくできません

朝に筋トレを行うのであれば、食事を摂った後にしましょう。朝食メニューは、筋トレをするためのガソリンとなる炭水化物と、筋肉の材料となるタンパク質を中心に摂りましょう。消化吸収にかかる時間を考え、食事の約1時間後に筋トレを始めるのがおすすめです。

朝筋トレは「起きてから何時間後」にやるべき?

朝の筋トレには、脳や体を目覚めさせる効果があります。とはいえ、起きてすぐに筋トレをして体を目覚めさせようとするのは危険です。

起床後、朝食を食べて約1時間後に筋トレを行いましょう。食後は消化のため消化器に血液が循環するため、筋肉への血液循環が不足し本来のパワーを発揮しづらくなります。最低でも1時間程度開けた方が、筋トレのパフォーマンスは高くなります。

起床後すぐに筋トレをすると、筋トレの質が下がるだけでなく、ケガにつながる恐れもあります。ウォーミングアップを十分に行うことも心がけてください。

朝筋トレのおすすめメニュー

宅トレの場合

朝の筋トレは、自宅でできる簡単な運動でOK! 基本的なトレーニングを、正しいフォームでやることが大切です。ここでは、誰でもできる王道メニューで、誰でも効果が出やすい朝におすすめの筋トレメニューを紹介します。

ノーマルスクワット

  • 足を肩幅に開き、つま先と膝をやや外側に開く
  • 背筋を伸ばし、足裏をしっかり床につけたまま、股関節から折り曲げるように腰を下ろす
  • 太ももが床と平行になるまで下ろし、ゆっくりと元の姿勢に戻る

実施回数 15回×3セット
鍛えられる部位 ・大胸筋
・大腿四頭筋
・ハムストリングス etc…
POINT

しゃがむ時に、背中が丸くならないように、背中と膝下の角度が平行になるように意識する。膝を前に突き出しすぎると、膝を痛めてしまうので注意しましょう。

腕立て伏せ(ノーマルプッシュアップ)

  1. 腕を肩幅より少し広く開き、腕立て伏せの姿勢になる
  2. 頭から足先までが一直線になるように姿勢を整える

▲つま先は立てる

  1. 肘を曲げ、胸が床につくギリギリまで下ろす

  2. ゆっくりと体を起き上がらせる
実施回数 10回×3セット
鍛えられる部位 ・上腕三頭筋(二の腕)
・大胸筋 etc…
POINT

お尻が上がったり、腰を反らしたりせず、頭から足まで体がまっすぐになるようにしましょう。つらいときは、床に膝をつきながらでもOK。

ジムの場合

朝からジムに行って、体を鍛えるのも良いでしょう。ジムでのトレーニングの場合、家ではできないようなウェイトトレーニングがおすすめです。ケガのリスクを避けるために、ウェイトトレーニング前は入念にウォーミングアップをしてください。

レッグプレス

ポジションセット

  • シートに背中をつけて座る
  • 足をプレート中央へ置き、腰幅程度に足を広げ、つま先をやや外側に向ける
  • 膝の角度が90度より鋭角になるようにシートを調整する

重量は、8~10回で限界がくる重さに設定しましょう。

やり方

  1. イスについているバーを握り、背筋を伸ばす
  2. 上体を固定したまま膝を伸ばしていく
  3. 膝を伸ばしきる前に止め、ゆっくりと元の位置に戻す
実施回数 8~10回×3セット
※セット間の休憩は1~3分程度
鍛えられる部位 ・大臀筋
・大腿四頭筋
・ハムストリングス etc…

チェストプレス

マシンセット

  1. イスに座り、バーを握る
  2. 胸を張り、背中をシートにつけて肩甲骨を寄せる
  3. バーを引いた時、乳頭の高さにくる位置になるようシートやイスを調整する

 重量は、個人によって異なります。適正重量は「8~10回で限界がくる重量」と言われています。

 やり方

  1. イスに座り、シートに背中をつけ、両手でグリップを握る
  2. 胸を張り、肩甲骨を寄せるようにバーを押す(息を吐く)
  3. ゆっくりとバーを引き(息を吸う)、ウエイトが床につくギリギリのところで止める
  4. この動作を繰り返す
実施回数 8~10回×3セット
※セット間の休憩は1~3分程度
鍛えられる部位 ・大胸筋
・上腕三頭筋 etc…

朝筋トレの効果を高めるポイント

朝筋トレの効果を高めるには、下記のポイントをチェックしてください。

  • 前日に十分な休養をとり、集中力が高い状態でトレーニングに挑めるようにする
  • 筋トレ前に、十分な栄養補給をする(1時間以上前が理想)
  • 筋トレ後も、タンパク質と炭水化物を中心とした食事を摂る(運動後1時間以内が理想)

筋組織は回復するために、栄養を必要とします。そのため、筋トレ後にも栄養補給をしてあげましょう。また、マルチビタミンやクレアチンなどのサプリメントで、体内に不足しがちな栄養素を補うと、筋トレの効果が最大化できるでしょう。

筋トレを朝に行う時の注意点

朝に限ったことではありませんが、筋トレの前はウォーミングアップをして体を温めることが大事です。

特に朝は体が動きにくく、ケガにつながりやすい時間帯。ラジオ体操やストレッチなどで入念にウォーミングアップを行ってから筋トレを始めるようにしましょう。

監修者プロフィール

脳卒中リハビリセンターMOMOKA 小金井店
代表/理学療法士 沖野 旭

脳卒中リハビリセンターMOMOKA 沖野 旭

専門領域は脳卒中後遺症に対するリハビリ施術。2017年に理学療法国家資格取得後、三重県松阪市の病院に約6年勤務。回復期病院のリハビリから退院後の在宅リハビリまで幅広く経験を積む。2023年に東京都小金井市に自費のリハビリ施設『脳卒中リハビリセンターMOMOKA』を立ち上げる。

<Text:編集部>

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