尾崎野乃香 女子68キロ級V パリに望み 夢の五輪切符へ来年1月27日にプレーオフ

2023年12月25日 05:00

レスリング

尾崎野乃香 女子68キロ級V パリに望み 夢の五輪切符へ来年1月27日にプレーオフ
女子68キロ級で優勝し、最優秀選手に贈られる天皇杯を手にする尾崎野乃香 Photo By 共同
 【レスリング全日本選手権最終日 ( 2023年12月24日    東京・国立代々木競技場第二体育館 )】 女子6階級で唯一、来年のパリ五輪代表が決まっていない68キロ級決勝で、今年の世界選手権65キロ級女王の尾崎野乃香(20=慶大)が森川美和(24=ALSOK)を7―0で下して優勝。来年1月27日に行われるプレーオフ(PO)進出を決めた。POでは互いに初の五輪出場を懸け、世界選手権5位の石井亜海(21=育英大)と対戦する。男子フリースタイル65キロ級では清岡幸大郎(22=日体大)が優勝した。
「いつもなら優勝してイエーイ、とかやっちゃうんですけど、ここがゴールじゃない」。目標はあくまで五輪出場と、パリでの金メダル。本来の62キロ級から2階級上げて、一度は失いかけた五輪出場に王手をかけた尾崎は、引き締まった表情で語った。

 昨年は62キロ級で世界選手権を制覇も、12月の全日本、今年6月の全日本選抜と優勝を逃し、パリ五輪への道はほぼ断たれた。だが9月の世界選手権で68キロ級の石井がメダルを逃しチャンス到来。今大会は67キロ前後で臨むと「スピードと、相手の力を使うことがうまくできた」と軽量の特性を生かし、決勝でも第1ピリオド終盤に相手の仕掛けに反応して一気に大量得点。「相手も(62キロ級より)大きいのでやりやすかった」と振り返った。

 セカンドキャリアを考え、レスリングでは強豪とは言えない慶大に進学。指導体制や練習環境は他のトップ選手に比べれば盤石とは言えず、昨年の全日本決勝で敗れたことで、行き詰まりを覚えた。そこで日体大などで活躍し、少年クラブで指導する栗森幸次郎氏に“弟子入り”を志願。今夏からは強豪の山梨・韮崎工に週1回のペースで通い、課題のディフェンスを磨いた。「いろんな先生が真剣に指導してくれた」と感謝の言葉を述べると、涙が頬を伝った。

 パリへの切符を懸けた決戦は、来年1月27日に決まった。「このチャンスを絶対につかみ取るつもりで、1カ月頑張る」と尾崎。浜口京子に憧れ、「小さい頃からの夢」と語る五輪へ、一気に駆け上がる。

 ◇尾崎 野乃香(おざき・ののか)2003年(平15)3月23日生まれ、東京都出身の20歳。7歳からレスリングを始め、小5から全国少年少女大会2連覇。JOCエリートアカデミーから21年4月に慶大へ進学。同年に初出場した世界選手権62キロ級で3位、22年に優勝。今年の世界選手権は非五輪階級の65キロ級に出場し金メダルを獲得した。好きな色はピンク。慶大環境情報学部3年在学中。1メートル64。

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