会社やめたい人へ!なんとか行く?退職する?心理士が教える対処法2パターン

2024年01月04日 09:00

会社やめたい人へ!なんとか行く?退職する?心理士が教える対処法2パターン
仕事内容が嫌い、向いていない、人間関係……会社を辞めたい理由は数多くあります。そのとき、転職をするかしないか悩むかと思います。 本記事では「転職への第一歩を踏み出すための考え方」と、「転職をしないで乗り切る方法」の2つを […]

仕事内容が嫌い、向いていない、人間関係……会社を辞めたい理由は数多くあります。そのとき、転職をするかしないか悩むかと思います。

本記事では「転職への第一歩を踏み出すための考え方」と、「転職をしないで乗り切る方法」の2つを探っていきたいと思います。

回答してくれたのは、つのだデンタルケアクリニック院長で日本選択理論心理学会認定選択理論心理士の角田智之先生です。

まずは転職が怖い、不安なとき「勇気をもって踏み出す」方法から。後半は「転職せずなんとか乗り切る方法」です。

会社を本当に辞めたいのに転職の勇気が出ない。なぜ?

まず、転職の勇気が出ない原因とその対処法を考えていきます。

理由1 会社に退職を告げたときに発生する苦痛感情

辞める場合、会社にその旨を伝えなければなりません。

人は、苦痛感情を回避する傾向があります。会社に退職を伝えた場合、自分が退職することで周囲に迷惑をかけてしまう、お世話になった会社に別れを告げることになる、一緒に頑張ってきた仲間を裏切ることになるかも、といった感情が起こる可能性があります。

そして、今日すぐに退職するわけではないので、残務期間が発生します。その期間は、会社や周囲の社員から「辞めるんだ」という目で見られます。

本人も「この期間を乗り切りさえすればいいや」という思考になるかもしれません。これはパッションダウンにつながります。

理由2 今後の生活への不安

また、“次の就職先が決まっていない”という場合、生活に対する不安も大きな要因になると考えられます。

それぞれの原因にどう対処していくか

原因を推測できたら、次は対処法です。どのような考え方をすれば、転職への勇気が湧いてくるでしょうか。

“苦痛感情”にはどう対処する?

退職の日を想像してみましょう。

周囲や会社に、「辞めるからだろうけれど、仕事も消化試合って感じだったね」と思われてしまう行動で残務期間を過ごすか、「○○さん、辞めちゃうんだ。最後の仕事ぶり凄かったね、辞めてしまうのが本当に惜しい!」と惜しまれながら退職するかは、自分で選択できます。

もし後者を選択した場合、退職までの期間にがんばったことは、転職先での仕事の向き合い方にもプラスに働くのではないでしょうか。

“次がないことへの不安”にはどう対処する?

不安の原因は、情報不足が大きく関係します。

次がない場合でも、退職後すぐに生活困窮してしまうわけではありません。年齢によっては退職金が出るかもしれませんし、失業手当の支給もあるでしょう。しかも、失業手当の額は予測できます。

現在の収入、生活の支出を計算して、いつまでに転職し、最低必要収入を割り出せば、いつまでに就職しないとならないかも見えてきます。

転職希望の業界とその業界の人材状況はどうなのか、採用率はどのくらいかなど状況分析し、就職希望時期から逆算することで、一日何社ほど面接の申し込みをすればよいか明らかになります。

情報が多くなれば不安も少なくなり、勇気とモチベーションが湧いてくるでしょう。

▼やる気がなくても行動したい


モチベを上げるには?専門家が考える“やる気が出ないとき”の対処法

やりたいことが分からない場合、先にそこを探る必要がある

では、次の仕事もやりたいことも決まっていないけれど、今の会社は辞めたい。でも勇気が出ないといった場合、どうすればよいでしょうか。その場合、まず自分のやりたいことを明らかにする必要があります。

それが分かれば苦労しない! と言われそうですね。しかし、試してみて欲しい方法があります。

転職を考えていない人でも、自分の望むものを明らかにすることができますよ。

ステップ1 やりたいこと、なりたい姿を30個出す

まず、自分のやりたいことやなりたい姿を30個書いてみてください。なんでもOKです。

火星に行きたい、地球の中心を見てみたい、アラブの石油王になりたいなど非現実的なものでも大丈夫です。

ステップ2 現状的にできそうなものを10個選ぶ

書き終わったら、現実世界で実行できそうなものを10個ピックアップしてください。

ステップ3 10個を順位づけし、上位2つを選ぶ

それができたら、10個に順位づけをし、上位2個をピックアップしてください。これが、いまあなたが望んでいることです。

この2個を達成するために集中することが、自分の願望を実現するカギとなるはずです。

次が決まっていないのに退職するメリット・デメリット

この記事を読んでいるということは、次が決まっていないものの早く退職したい! と煮詰まっている人も多いでしょう。

ここでは、次が決まっていないうちに退職するメリットとデメリットを見ていきましょう。

先に退職するメリットは「背水の陣」

決まっていないのに転職することは、自ら背中の扉を閉めることです。もう後戻りできない状況を自ら作り出し、前進に集中できます。

次の会社の面接がダメだったから、いまの会社に留まろうということができません。“なにがなんでも”という思考を強くできます。

ただ注意が必要なのは、どんな状況になろうと肯定的解釈を忘れないことです。背中の扉が閉まっているので、あきらめの感情が出てくるとすぐに否定的解釈に侵されてしまいます。

先に退職するデメリットは「強い願望・目標がないと動けなくなる」

転職はものすごくパワーが必要です。

パワーはどこからくるのかといえば、願望です。願望が明らかでない場合は、すぐにパッションダウンしてしまいます。

カーナビと同様に、目的地が決まっていれば、道筋は複数あっても目指すところは同じです。ですが、もし目的地の入力できなければカーナビは機能せず、現在地を知らせるだけです。

そのため、やりたいことが明らかでない退職はデメリットが多くなるでしょう。

次が決まってなくても辞めたほうがいい会社とは

理念がない会社です。私はそう考えます。

理念とは“本来あるべき姿”です。理念は非常に重要で、業務における判断選択をする際、よりどころとなる考え方です。

これがなければ、海図のない海を社員が勝手に航海しているようなものです。

もし海で迷っても、コンパスと海図があれば目的地は見えています。判断に迷ったときは理念に立ち返れば良いという導きになります。

理念が社員に知られていない、押しつけになっているパターンも

立派な理念はあるものの、お飾りになってしまっている会社も残念です。理念が社員に浸透していなければ、何を目指して働いているのか分からなくなってしまいます。

社長や役員は、社員は自分の利益のために働いていると解釈し、社員側も上層部の利益のために働いていると感じてしまいます。これでは仕事のモチベーションも上がりません。

私が考える、会社を辞めたほうがいいサイン

体に何らかの症状が出ている場合は、退職を検討するサインなのではないでしょうか。

メンタルが体に及ぼす影響は計り知れないものがあります。症状も多彩で、私の専門である舌痛症もそのひとつです。舌が焼けるように痛くなったり、ヒリヒリ、ぴりぴりするのです。

ほか、胃が痛い、体が重い、なにかやる気が出ない、心臓のドキドキが止まらない、頭痛、腰痛があるなども挙げられます。

ストレスや思い通りになっていないことがあると、体は症状を出してきます。実際に胃潰瘍などの病気を作ってしまう場合もありますが、症状があるのに病院で調べても原因不明ということも多く見られます。それは、その方の抱えている大なり小なりの“不幸”が原因と思われます。

その“不幸”の原因が仕事や会社にあるとすれば、辞める選択も浮かんできます。

後半:会社をやめたいと思っているとき、「転職せず」なんとか乗り切る方法

会社をやめたいと思っているとき、「転職せず」なんとか乗り切る方法

まず、なぜ自分が会社を辞めたいのか、その要因を明らかにすることから始めることが良いでしょう。

人間関係、業績不振、友人の会社が良く見えてしまう、などでしょうか。

 “同僚が好成績、自分は一件も契約がない”というケース

たとえば、“同僚が好成績を上げているのに自分は一件も契約がとれていない”という場合、どう思うでしょうか。

事実は、“一件も契約をとっていない”です。

事実(情報)を解釈するとき、重要なステップがあります。それは“選択”です。

赤信号で渡るか渡らないか、選択肢はひとつではない

道路を歩いていて赤信号で止まる。これは赤信号だから止まったのではありません。赤信号の視覚情報を取得して、止まる選択をしただけです。

深夜で車や誰もいない場所の赤信号であれば、渡ってしまう人もいるでしょう。人はすべての情報に対して無意識に「思考」と「行為」という選択をしています。

赤信号で止まる、止まらないという例のように、選択肢はひとつではありません。

事実(情報)に対してどう思考するかは自分で決めることができる

“同僚が好成績、自分は一件も契約がない”、これは事実(情報)です。

それについてこんな思考が出てくるかもしれません。

「自分はダメだ! あんな成績は一生かかっても無理、あーあいつもこうなる、もう転職しようかな」

一方で、こんな思考の選択もできます。

「あの人はなんでもソツなくこなしてしまうなぁ。でも、なんでもできてしまうとピンチのときに弱い可能性だってある。自分は、うまくいかないことでいろいろな経験をしている。この経験は宝だ。もしかして、神様が期待をして成長しろと言ってくれているのかも!」

事実(情報)に対してリフレーミングをしてみる

行動をプラスすることで、さらに肯定的解釈が得やすくなる

さらに「じゃあ、少し心理学を勉強して、契約獲得に役立ててみよう」と思考し、本屋に行って営業時に使えそうな心理学の本を探して購入(行為)を行うことで、感情は肯定的なものに変わるでしょう。

思考だけでなく、実際に行動を起こすことで、肯定的解釈が得やすくなるのです。

このように、いま自分の置かれている状況を自己分析し、肯定的解釈につなげていくことで、転職せず現状を乗り切ることも可能かもしれません。

なにもやる気力が起きないときどうしたらいい?

とはいえ、上記のように行動へ移すことができないときは、変えやすい部分から変化させていくと行動へつなげやすくなります。

行動を分解してみる

人の行動は4つに分解できます。

  • 思考(考える、思うなど)
  • 行為(歩く、読むなど)
  • 感情(楽しい・イライラなど)
  • 生理反応(汗をかく、ドキドキするなど)

この中で、変えやすいものと変えにくいものがあります。

「思考」と「行為」は自分の意志で変えやすい

変えやすいものは、「思考」と「行為」です。変えにくいものは、「感情」と「生理反応」です。

いま、何もやる気力が起きないというのは、「感情」が負の方向に反応しています。感情は変えられないと思ってしまうため、さらにやる気がなくなってしまいます。

ただ、感情は変えにくいだけであって、変えることはできます。

「感情」も、「思考」と「行為」で変えることができる

たとえば、「今すぐうれしくなってください」と言われてもできないと思いがちですが、うれしくなるために、以下の「思考」と「行為」を行うことができます。

今すぐうれしくなるにはどうしたらいい?

  • 旅行に行ってうれしかった記憶を思い出そうとする(思考)
  • そのときに撮ってスマホに保存した写真を見てみる(行為)

どうですか、うれしくなってきませんか? 「思考」と「行為」を変えた結果、「感情」にも変化が出てきたのではないでしょうか。

これを仕事に当てはめて考えてみます。

入社当時の想いや願望を思い出し、それを分析してみる

入社したときは誰でも、会社でこうなりたいという願望があったはずです。それを思い出し、その願望に近づくための「思考」と「行為」を選択してみましょう。

会社で仕事のやりがいを感じたかったということであれば、“自分にとってのやりがいとはなにか”をセルフカウンセリングしてみるのもよいと思います。

結果として、“お客様に喜んでもらうこと”をやりがいと感じていた自分に気づくかもしれません。

“希望しない部署で働くことになってしまった”というケース

商品開発をやりたかったが、営業になってしまった。しかし、営業でも“お客様に喜んでもらう”というやりがいは共通している。

また、商品開発の仕事に携わるまでに、営業で顧客と接する機会を多く経験することで、いかにしてお客様に喜んでもらえるかというスキルを磨けるかもしれない。

そのスキルを手に入れてから商品開発に部署移動すれば、他者にはない“強み”となるだろう。

このような視点を持つこともできます。

「精神的に疲れたから会社辞めたい」は甘えなのか。別の視点から考えてみる

とはいえ、メンタル的に疲れてしまい、仕事を辞めたいと感じてしまうこともあるでしょう。ここでは、なぜ精神的に疲れるのか考えていきたいと思います。

人は、好きなことをしているときは疲れを感じにくい

好きなゲームを徹夜でやってしまったときは、イヤな仕事を徹夜でこなしたときより疲れは少ないでしょう。

仕事を苦役として捉えていると、疲れがやってきます。ということは、精神的に疲れないためには、仕事を好きになることがポイントとなります。そんなことができるのかって? 実はあります。

仕事を好きになる方法はふたつある

仕事を好きになるには、“好きな仕事に就く”または“仕事を好きになる”のふたつが挙げられます。

“好きな仕事に就く”というのは一見よさそうですが、その仕事を辞めてしまえば終わってしまいます。再び好きな仕事の採用募集を探すしかありません。

一方、“仕事を好きになる”ノウハウを持っていれば、今の仕事を好きになることもできますし、たとえ転職したとしても、どんな仕事でも大丈夫という自信になります。

“仕事を好きになる”ノウハウとは

“仕事を好きになる”ノウハウとして、ぜひ試していただきたいことがあります。

それは、いま自分に課せられている仕事を、一生懸命、一心不乱に取り組んでみることです。3日間だけで構いません。

3日過ぎたころには、今までにない自分の姿をみることができるでしょう。

▼やる気がなくても行動したい


モチベを上げるには?専門家が考える“やる気が出ないとき”の対処法

連休明けや休暇後のみ「会社を辞めたい」と感じる人の乗り切り方

GWなどの大型連休、そして年末年始の休暇明けは、仕事に行きたくないという声を聞くことが多くなります。

休暇後に「会社を辞めたい」と感じるのは、求めるイメージに“仕事をしている自分”がないからです。

人は理想に近づくために行動する

人は誰でも、頭の中に“求めるもの(理想のイメージ写真)”を持っており、それに近づくために行動します。

“休暇で旅行をして楽しんでいる自分”というイメージ写真があれば、旅行に行く前にワクワクします。休暇前に「あー明日から旅行だ、嫌だな」とはなりません。それは、自分の求めるものが“休暇を楽しんでいる自分”であって、そのイメージ写真に向かって行動しているからです。

そう考えると、休暇後に「会社を辞めたい」と感じるのは、求めるイメージ写真に“仕事をしている自分”がないからと言えます。

休みが終わる前に仕事について考える時間を設ける

乗り切り方としては、休暇が終わる前に、30分でもいいので時間を作り、仕事のことを集中して考えてみることです。

休暇中に仕事のこと考えたくない! というのもわかりますが、わずかに時間をとるだけで、明日から楽になれると思うといかがでしょうか。

イメージ写真として“仕事をしている自分”が現れてきたら、少しああしてみようか、こうしてみようかという思考が現れてくるかもしれません。そして、今すぐ仕事にとりかかる気になるかもしれません。

そのイメージ写真を持つことができれば、それを手に入れるために行動スイッチが入りやすくなります。

運動はメンタルケアにいいってホント?

運動はメンタルケアにもよいと思います。運動することで、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンが増え、やる気を促したり、肯定的解釈をしやすくなります。

散歩も効果的ですが、少し早足で歩く、ジムでのトレーニングや水泳も効果的です。

有酸素運動中に今抱えている問題について考えてみると、アイデアが浮かんできたり、やる気が出ることもありそうです。

▼メンタルにもいい運動は?


なぜ“筋トレをすると自信がつく”と言われるのか?

食べ物でメンタルケアはできる?

運動だけでなく、食生活でもメンタルケアはできると考えています。もちろんバランスの良い食事は大切ですが、より幸福感を得やすいのは“自分が好きな食べ物を食べる”ことです。

好きなものを好きな仲間や家族と食べるということは、脳内の神経伝達物質であるセロトニンを増やす効果があります。セロトニンが増えると気分が良くなり、メンタルケアによい影響も与えると考えられます。

逆に、怒って食べれば食べた気がせず、嫌いなものを無理やり食べれば気分が悪くなります。

会社を辞めたいけれどやめられない人へ

辞めたいけれどやめられないのであれば、そんな中でもいかに気分良く過ごせるかを考えたいですね。そのためには、(前述しましたが)仕事を好きになることが有効であると私は考えています。

おさらいしましょう。

仕事を好きになるには、“好きな仕事に就く”または“今の仕事を好きになる”こと。そして“今の仕事を好きになる”には、その仕事を好きだろうが嫌いだろうが、一定期間、業務に打ち込んでみることです。ぜひお試しください。

▼会社に行きたくないときでも、ひとまず出社するには


「朝、会社行きたくない」どうしたらいい? 心理カウンセラーが回答

※本記事は以下の過去記事を再編集したものです。

監修者プロフィール

角田智之(つのだ・ともゆき)

歯科医師。つのだデンタルケアクリニック院長・歯科医師臨床研修指導医・日本選択理論心理学会認定選択理論心理士。1992年、明海大学歯学部卒業。日本大学板橋病院、社会保険横浜中央病院、久留米大学病院、(医)高邦会高木病院歯科口腔外科を経て、2008年福岡市博多区につのだ歯科口腔クリニックを開設。2015年同じ博多区内で移転開設し、つのだデンタルケアクリニックに名称変更。予防診療と舌痛症のメンタルカウンセリングを行っている。専門分野は口腔外科、歯科心身症。
公式HP(https://tsunoda-dentoral.net
舌専門サイト(舌痛症)(https://zettsu.com
インスタグラム(https://instagram.com/tsunoda_dc

<Edit:編集部>

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