【高校ラグビー】佐賀工 初優勝へ試練の準決勝・東福岡戦 花園で過去4戦全敗 井上「ここが始まり」

2024年01月04日 06:30

ラグビー

【高校ラグビー】佐賀工 初優勝へ試練の準決勝・東福岡戦 花園で過去4戦全敗 井上「ここが始まり」
<中部大春日丘・佐賀工>後半、コンバージョンを決める佐賀工・井上(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【第103回全国高校ラグビー準々決勝   佐賀工31ー16中部大春日丘 ( 2024年1月3日    花園ラグビー場 )】 初制覇を狙う佐賀工は中部大春日丘(愛知)に31―16で快勝し、23大会ぶりのベスト4進出を決めた。高校日本代表候補で「五郎丸2世」の呼び声高いSH井上達木(3年)が先制トライに加え1PG、4コンバージョンを成功し、16点を挙げた。
 最後まで左足の正確さは変わらなかった。後半33分。井上はゴール前中央付近からのキックを難なく成功。コンバージョン4本にPG1本をパーフェクトに決める活躍で、23大会ぶりのベスト4を引き寄せた。「練習の成果が出て、本当にうれしい」と胸を張った。

 試合を動かしたのも井上だった。前半1分にゴール前10メートルのラックから巧みなステップで相手をかわして、先制のインゴールに飛び込んだ。

 14―0とリードされてからは、PG2本で8点差まで詰め寄られたが、昨春の選抜大会での反省が生きた。準々決勝の国学院栃木戦では同じように2トライを挙げてリードしながら、逆転負け。「焦ることなく、自分たちのプレーをしよう」と声を掛け合ったこの日は、井上が前半35分にPGを決めて流れを変えた。

 キックには強い思いがある。憧れは、同校OBで15年のW杯では合計58得点を記録した五郎丸歩さん。「五郎丸さんは正確無比なキックで勝たせていた。五郎丸さんのようになりたい」と目を輝かせる。練習では1本ごとの間を多く取り、質を高めることを意識してきた。同じ角度だけではなく、場所を変えながら、正確さを磨いてきた。今大会はコンバージョンキックは17本中、16本成功と“五郎丸2世”と呼んでいい活躍を見せている。

 父の聖也さんは同校OBで3年時は3回戦で敗れた。試合前には「頑張ってこい」と激励された。手には「聖」と記して、父の思いも背負ってピッチに立っている。準決勝は東福岡との九州対決。過去花園では前回大会も含めて4戦全敗だが、「自分たちの目標は優勝。ここが始まり」と思いを代弁した。県勢初の頂点は、くっきりと見えてきている。 (杉浦 友樹)

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