【箱根駅伝】青学大1位 原監督「6連覇目指す」 就任20年目、10年で7度V名将が黄金期再び呼ぶ

2024年01月04日 04:28

駅伝

【箱根駅伝】青学大1位 原監督「6連覇目指す」 就任20年目、10年で7度V名将が黄金期再び呼ぶ
優勝を決めて笑顔で1番ポーズを決める青学大・原監督(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【第100回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2024年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間109・6キロ )】 往路優勝の青学大が復路も5時間23分12秒で制し、大会新となる総合10時間41分25秒で2年ぶり7度目の総合優勝を飾った。就任20年目の原晋監督(56)が「史上最強軍団」と評したライバルの2季連続3冠を阻止。100回目の記念大会で「負けてたまるか!大作戦」を完遂した。
 ゴール前からホクホク顔だった。2年ぶりの戴冠。原監督は手塩にかけた選手たちによって宙に3度、舞った。「ダイエットしておけばよかった。予期せぬ胴上げなので、ちょっと準備不足でした」とおどけた。自ら「史上最強軍団」と名付けた駒大の夢を打ち砕いての胴上げは格別だった。

 棚ぼたの優勝ではない。「基本軸があるからこそ、変化に柔軟に対応できた」。今大会前の昨年12月上旬、インフルエンザに集団感染。最も重要な時期に練習を積めないのは初めての経験。今大会のメンバー10人中5人も練習が積めなかった。この1カ月の練習量は例年より約2割減らし、「無理に遅れた強化を取り戻さなかった」という。

 よりどころは指揮官が18年に卒業した早大大学院スポーツ科学研究科の修士論文として体系化した「原メソッド」。1年を通して計画された練習内容や朝のスピーチ内容、フィジカルトレーニングの効果など青学大の15年の軌跡をまとめた実証を信じ、割り切った。「結果的にリフレッシュした状態で走れた」と振り返った。

 妻・美穂さんと寮に住み込み、就任20年がたった。今も昔も、箱根駅伝は「あくまで学生スポーツ」の認識は変わらない。根底にあるのは人格形成。かつては門限や禁酒、朝練習の義務化など絶対的な存在として君臨したが、常勝軍団となってからは「奉仕」の精神で部下に接するサーバント型リーダーを理想とする。

 時には選手たちを統率し、時には落ち着かせる。大会直前のミーティングで「2位狙いでいい」と指示したのも「力を抜こう、ということ。その先に優勝がある」という意図だった。

 「我々が勝つときは大輪を大きく咲かせる勝ち方をする。負けた翌年に力を発揮するのが原」と語った指揮官は「もう一度4連覇、あるいは中大の6連覇(1959~64年)を目指して取り組んでいく。10時間40分を目指したい」と豪語。熟練した“原マジック”で黄金期の再来を狙う。

 ◇原 晋(はら・すすむ)1967年(昭42)3月8日生まれ、広島県三原市出身の56歳。広島・世羅高では、主将として全国高校駅伝準優勝。中京大卒業後は中国電力で競技を継続したが、5年で引退。その後は同社で「伝説の営業マン」と呼ばれ、04年から青学大陸上部の長距離ブロック監督に転身。09年に当時最長ブランクの33年ぶりに箱根駅伝出場に導いた。1メートル76。

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