【箱根駅伝】金哲彦氏「世界に通用するランナー育てる」 スピード駅伝で示した箱根の存在意義

2024年01月04日 04:28

駅伝

【箱根駅伝】金哲彦氏「世界に通用するランナー育てる」 スピード駅伝で示した箱根の存在意義
大観衆が見守る中、優勝のゴールテープを切った青学大・宇田川(撮影・尾崎 有希) Photo By スポニチ
 【第100回東京箱根間往復大学駅伝 復路 ( 2024年1月3日    神奈川・箱根町~東京・大手町 5区間109・6キロ )】 【金哲彦の目】やはり往路の2分38秒差は大きかった。追う駒大は最初から無理をしてでもハイペースで突っ込まざるを得ず、最後まで自分たちの走りができなかった。しかも、安全策で前半は自重すると思われていた青学大の選手たちもたすきを受け取るなりガンガン飛ばしたので、結果的に6分35秒もの大差がついてしまった。
 青学大の復路の選手は全員箱根を走るのが初めてだったが、逆にそれが強みになっている。他校のように一部のエースや経験者に頼るのではなく、純粋に今一番練習ができている選手、一番状態が良くて調子を上げている選手を選べるだけの選手層の厚さが青学大にはある。

 もちろん、初めて箱根を走るという緊張感はあっただろうが、原監督は選手を乗せるのがうまい。どの選手ものびのび楽しそうに走り抜き、見事に2年ぶりの総合Vを成し遂げた。

 総合タイム10時間41分25秒は、まさにスピード駅伝の象徴だ。このタイムを単純にマラソンに換算すれば2時間4分39秒になる。しかも箱根の険しい山上りがあるということを考えれば、「世界に通用するランナーを育てる」という箱根駅伝の存在意義は、今十分に示されたと言っていい。

 歴史と伝統はもちろん大切だが、スポーツとしての革新も常に必要だ。今回初めて試みた全国化を「なし」にする理由はない。チャレンジするかしないかは各大学が判断すればいいことなので、箱根としては「いつでもいらっしゃい」と門戸を開いておいた方がいいと思う。(駅伝マラソン解説者)

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