エンゼルス・大谷 月間14発目の29号 日本選手&球団最多

2023年07月01日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 月間14発目の29号 日本選手&球団最多
<エンゼルス・ホワイトソックス>9回、大谷は2ランを放つ(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【ア・リーグ   エンゼルス7―9ホワイトソックス ( 2023年6月29日    アナハイム )】 エンゼルス・大谷翔平投手(28)は29日(日本時間30日)、ホワイトソックス戦に「3番・DH」で出場し、本塁打王争い独走の29号2ランを放った。月間14発目は、MVPに輝いた21年の自身や、07年7月のヤンキース・松井秀喜の13本を上回り、月間本塁打として日本選手最多かつ球団新記録となった。
 止まらない。打球角度27度で飛び出た打球が南カリフォルニアの雲一つない青空へ一直線に伸びた。5―9と敗色濃厚だった9回2死一塁、大谷が救援右腕グレーブマンの真ん中低めへのスライダーを打ち砕いた。飛距離134メートルの29号2ランは左中間の球場名物ロックパイルで弾んだ。

 6月はあと1日を残し、26試合で14本塁打。MVPに輝いた21年の自身や松井秀喜、トラウトやアルバート・プホルスらが残した月間13発を上回り、日本選手と球団の最多記録を塗り替えた。リーグ2位のホワイトソックス・ロベルトと6本差に広げ、ナ・リーグトップのブレーブス・オルソンにも3本差の独走。3年連続30本塁打に王手をかけ、66打点はレンジャーズ・ガルシアに並ぶリーグトップに返り咲いた。

 「彼は不調時に外角の難しいボールへの攻めを勉強し理解した。その球を今、逆方向に運んでいる。才能豊かで見ていて楽しい」。チームは2連敗となったが、希望をもたらす一振りにフィル・ネビン監督もうなった。既にDHで選出された11日(日本時間12日)のオールスター戦では、選手間投票や機構選出で投手での選出も濃厚。指揮官は投打二刀流での出場に「彼次第。ノーとは言わない」と登板は容認する構え。一方で前日の本塁打競争については「彼は既に出場を断っていると思う」と述べ、不参加になるだろうとの見方を示した。

 大谷は6月に月間13本塁打した21年、球宴に初選出。前半戦33本塁打と好調だったが、本塁打競争に出た後の後半戦に失速し、本塁打王を逃した。本塁打競争は短時間にフルスイングを繰り返すため、打撃フォームを崩す傾向があると指摘され、肉体的な負担も大きい。「参加して立ち直れない選手もいる。あれは不安にさせるものだ」と持論を続けた。大谷の出場を巡ってはファンからも賛否両論の声が飛び交い、決断が注目を集めている。

 本塁打競争でのSHO TIMEを望む声がある一方で、その後遺症の心配がなければよりシーズンに集中できる。年間56発ペースに乗せた「最高の6月」の勢いを持続し、加速させるためにも。その歩みの先は、この日の澄み切った青空のように「SKY HIGH(青天井)」だ。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪NPB最多は18本≫大リーグの月間最多本塁打は20本。98年6月にサミー・ソーサ(カブス)が27試合の間に固め打ちを見せた。次いで17年8月にスタントン(ヤンキース)、1937年8月にルディ・ヨーク(タイガース)が月間18本塁打している。大谷を上回る月間15本塁打以上は延べ48度ある。なおNPBの月間最多本塁打はで、13年8月にバレンティン(ヤ)がマーク。パ・リーグ記録は81年7月の門田博光(南海)の16本で、両リーグで月間15本以上は延べ14度ある。

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