阪神・前川 “伝統の一戦”初見参で戸郷撃ち2安打 混戦7月戦線吹き飛ばせ!再び首位独走へ虎の希望

2023年07月01日 05:15

野球

阪神・前川 “伝統の一戦”初見参で戸郷撃ち2安打 混戦7月戦線吹き飛ばせ!再び首位独走へ虎の希望
<巨・神> 7回2死、右前打を放った前川はベンチに向かって手を挙げる(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神1-2巨人 ( 2023年6月30日    東京D )】 阪神は30日の巨人戦で延長10回の末に今季2度目のサヨナラ敗戦に沈んだ。苦しんだ6月は悪夢の幕切れで8勝14敗1分け。岡田彰布監督(65)は「あんまりええ月やなかったよ」と苦闘の1カ月を振り返った。2位・DeNAとは1・5ゲーム差のままでも、3位・広島に2差、4位・巨人にも4・5差に詰められた。混戦模様で突入する7月戦線。初見参の“伝統の一戦”で2安打した前川右京外野手(20)が猛虎の希望だ。
 東京ドームは一発の危険が常につきまとう。延長10回2死。代打・岸田の当たりは、右翼フェンスをギリギリで越えた。甘めに入った144キロのカットボールを捉えられた加治屋は打球方向を見つめたまま、マウンドで立ち尽くした。

 「球場(の広さ)は分かっているやん、ずっと。安心したんか、前の2人はあれだけ低く低くいってるのに」

 岡田監督は失投を嘆いた。今季2度目のサヨナラ負け。その要因は、打線にあと一本が出なかったことに尽きる。8回143球を投げた戸郷に対し、3者凡退で終わったのは2回のみ。塁上をにぎわせながら、近本の初回先頭弾の後は、とにかく本塁が遠かった。3回1死一、二塁では大山、ノイジーが連続三振。崩せそうで崩せず「最後、低めのボールを、フォーク、スライダーを振るからな。あれをもう一つ辛抱したらのう」と悔やんだ。

 最後の試合に競り負けて6月は8勝14敗1分けで終了。19勝5敗の5月との差が鮮明で、「あんまりええ月ではなかったよな、そら」と渋かった。DeNAとの1・5差。3位・広島に2差に詰められ、4位・巨人も4・5差に忍び寄ってきた。2位に一時6・5差もつけた独走状態は過去の話。今や混戦の様相を呈してきた。

 1日が72試合目で、シーズンの折り返しとなる。停滞気味で突入する7月戦線。期待がかかるのが高卒2年目の前川だ。初めて経験した“伝統の一戦”で2安打を放ち、6試合連続安打に伸ばした。2本とも3月のWBCで侍ジャパンの世界一に貢献し、リーグ最多8勝を挙げる戸郷から放ったのだから値打ちがある。

 二ゴロに倒れた初回の初対戦で「変化球の球筋がやばい」と警戒を強め、5回はそのフォークを左翼へ技ありの安打を放った。7回は直球を右前へ。いずれも追い込まれてから快音を響かせ、「打席の中で修正できた結果が2安打につながったと思う」と非凡な能力をまた見せた。打率・322まで伸び、3番も板についてきた。きっと、チームのムードを変える力を秘めている。 (倉世古 洋平)

 【データ】
 ○…首位・阪神が4位・巨人に敗れ、両チームのゲーム差は4.5に。今季のセ・リーグで首位から4位が4.5ゲーム差以内は5月15日以来46日ぶり。前回は(1)阪神(1ゲーム)(2)DeNA(1.5ゲーム)(3)広島(1.5ゲーム)(4)ヤクルトの首位から4位まで4ゲームだった。

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