デーブコーチ泣かせた!!巨人・岸田、人生初代打サヨナラ弾 巨人捕手29年ぶり快挙で虎に4.5差

2023年07月01日 05:30

野球

デーブコーチ泣かせた!!巨人・岸田、人生初代打サヨナラ弾 巨人捕手29年ぶり快挙で虎に4.5差
<巨・神9>10回、サヨナラ本塁打の岸田(右)を涙で迎える大久保打撃コーチ(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人2―1阪神 ( 2023年6月30日    東京D )】 デーブが泣いた!巨人の岸田行倫捕手(26)が30日、首位・阪神との3連戦初戦の延長10回に代打で右中間に今季1号サヨナラ弾。捕手の代打サヨナラ弾は94年9月17日の同戦で大久保博元(現1軍打撃チーフコーチ)が放って以来、チーム29年ぶりの快挙だった。自身3年ぶりのプロ2号で勝利したチームは連敗を3で止め、4位ながら首位とのゲーム差を4・5として混セを演出。この勢いで一気に差を縮める。
 サヨナラ勝利を盛り上げるためにベンチで準備していた水は、岸田が自分で浴びることになった。延長10回2死。代打で人生初のサヨナラ弾を右中間席に運び「9回のチャンスで自分がめちゃくちゃ水を用意していた。それが逆の立場になって不思議な感じ」と笑った。

 アーリーワーク常連組の26歳。春季キャンプで3人一組のチームに分かれスイング数を競った第1クールで断然1位に輝いた「松田組」の一員でもある。メニューの発案者であり、連日指導を行う大久保打撃チーフコーチは岸田の姿勢に「ギラギラしている。必ず結果が出る」と期待していた。同コーチは殊勲弾を放った“門下生”を泣きながら抱擁。チームの捕手の代打サヨナラ弾は94年の同コーチ以来、29年ぶり2人目の快挙だった。

 インパクトは絶大だ。これが今季8打席目。正捕手・大城卓がおり出番は多くないが打撃練習では「ただ気持ち良く打つだけじゃなく丁寧に」と実戦を想定する。「出た時に存在感を出せるように」とバント、ブロッキング練習も欠かさない。打席に向かう前に阿部ヘッド兼バッテリーコーチから受けた「本塁打を打ってこい」の指令を遂行し、連敗を3で止める殊勲の一発。原監督も「日頃の努力が実を結んだ。伏兵的な人が活躍したのは大きい」と目を細めた。

 祝砲にもなった。この日は同学年で高校時代はU18日本代表でともに主軸を担った岡本和の27歳の誕生日で「これをプレゼントに」と笑顔。普段から打撃の助言ももらう主砲について「凄い大きな存在。これからもいろいろ聞いて、うざがられないように」と言う。

 依然、4位ながら最大10ゲーム差あった首位・阪神と4・5差。明るく陽気な性格でチームでは「円陣番長」の異名を持つ男が、上位浮上を予感させる歓喜のアーチをかけた。(小野寺 大)

 ◇岸田 行倫(きしだ・ゆきのり)1996年(平8)10月10日生まれ、兵庫県出身の26歳。報徳学園では2、3年春に甲子園出場し、3年時は高校日本代表としてU18アジア選手権で準優勝。大阪ガスを経て、17年ドラフト2位で巨人入団。プロ3年目の20年10月31日のヤクルト戦でプロ初アーチ。1メートル76、88キロ。右投げ右打ち。

 ≪あの時も泣いた≫▽大久保の代打サヨナラアーチ 94年9月17日の阪神戦(東京ドーム)、同点の9回2死一塁で代打出場。中西の初球、スライダーを振り抜き左翼席へ飛び込むサヨナラアーチを放った。一塁を回ったところで中畑コーチと抱き合うと目に涙を浮かべ大号泣して本塁に生還。顔を押さえて泣きじゃくりながらナインの祝福を受け、「頭の中は真っ白です…。幸せです!」とお立ち台で叫んだ。

 ≪捕手2人目≫巨人は代打の捕手・岸田がプロ初のサヨナラ弾。巨人打者の代打サヨナラ弾は21年3月26日DeNA戦の亀井善行以来15人目、17本目。うち捕手は94年9月17日に同じ阪神戦で大久保博元が打って以来29年ぶり2人目だ。

 この日は阪神の近本が初回表に先頭弾。初回表先頭弾で始まり、サヨナラ弾で終わった試合は昨年5月25日のヤクルト―日本ハム戦で松本剛(日)が先頭弾、山崎(ヤ)がサヨナラ弾を放って以来史上30度目。GT戦では83年9月14日に真弓明信(神=先頭)、平田薫(巨=サヨナラ)、94年6月28日に亀山努(神=先頭)、元木大介(巨=サヨナラ)で記録して以来3度目でいずれも巨人のサヨナラ勝ちだ。

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