阪神・中野 球団初の最多安打&フルイニング“W達成”見えた 158安打で単独トップ浮上

2023年09月25日 05:15

野球

阪神・中野 球団初の最多安打&フルイニング“W達成”見えた 158安打で単独トップ浮上
<中・神>10回、左前打を放ちポーズを決める中野(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神0―0中日 ( 2023年9月24日    バンテリンD )】 阪神は24日の中日戦で延長12回を戦い、0―0で引き分けた。1点が遠い中、中野拓夢内野手(27)が2安打を放って今季通算158安打とし、同157安打のDeNA・牧と中日・岡林を抜いて最多安打争いでリーグ単独トップに立った。二塁手として全試合フルイニング出場も継続しており、最多安打タイトルとの“W達成”なら、表彰対象となった1994年以降では06年ヤクルト・青木に続くリーグ2人目、球団初の快挙となる。球史にその名を残すべく、残り7試合を全力で駆け抜ける。
 まさに“タイガー・チャージ”だ。前日23日のヤクルト戦で3安打した中野が、勢いそのままに尾張の地でも「H」ランプをともし続けた。2打席凡退で迎えた7回1死で柳から中前打を放つと、延長10回は先頭で藤嶋から左前打。ともに得点にはつながらなかったが、延長12回を戦って散発4安打、無得点と沈黙した打線において一人、気を吐いた。

 「安打が出ていること自体はいいこと。どん欲にというか、打てるボールをしっかりと打っていけば、ヒットが出る確率も上がる。しっかりと1球で仕留められるようにやる」

 16日の広島戦で2安打して以降、パタリと快音が止まった。17、18日のDeNA2連戦、20、21日の巨人2連戦では、4戦計15打数1安打。蓄積疲労も相まって、結果が出ずにもがく日々が続いた。元々、中野に「最多安打」への執着はない。絶対的4番で常に安打を狙える立場の牧と、リードオフマンを任され多くの打席を得られる岡林とでは「そもそも役割が違う」(中野)というのがその理由。制約が多くなる「2番打者」だからこそ打撃タイトルは脳内から消し、最大目標を「全試合フルイニング出場」に置いた。「安打は勝手についてくるもの」と、欲を出さない強い信念で臨んでいた。

 だが、豪雨が中野の運命を変えた。22日ヤクルト戦が雨天中止となり、8連戦の3戦目に突如として休養日が訪れた。この日の帰り際、中野は「1日あけば良くなるかもしれない。(中止を)プラスに捉えてやっていく」と前を向いた。その言葉通り、翌23日の同戦で3安打、そしてこの日も2安打し、2試合で計5安打を荒稼ぎ。残り7試合で、ついに安打数ランキングの単独トップに浮上。ここまで来たら、狙えるものは全て狙いたい。

 「試合に出続けることが最低条件というか、それがヒットを多く打つことにつながると思う。その中で、自分が思い描いたヒットが出ればいい」

 継続中の「全試合フルイニング出場」と、最多安打タイトルの両獲りなら、06年ヤクルト・青木以来で、虎では初となる。18年ぶりの優勝へとチームをけん引した27歳は、栄冠をさらに彩る勲章をつかむべく、25日も元気にグラウンドに立つ。そして快音を奏でる。(八木 勇磨)

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