楽天・島内劇弾　球団最多タイ今季8度目サヨナラ勝利「皆さんの声援とともにスタンドにいきました」

2023年09月25日 05:30

野球

楽天・島内劇弾　球団最多タイ今季8度目サヨナラ勝利「皆さんの声援とともにスタンドにいきました」 — ＜楽・日＞サヨナラ2ランの島内は笑顔でガッツポーズ（撮影・村上　大輔） Photo By スポニチ

【パ・リーグ楽天3―1日本ハム（ 2023年9月24日楽天モバイル）】自身の応援歌の歌詞を体現する劇弾だ。「ここで～、しまうち～、勝利の一打～」。1―1の9回1死一塁。楽天・島内は2万5561人が集まった本拠地の大声援を背に、池田の148キロ直球を振り抜いた。右翼席に伸びた打球はチームを2連勝に導くサヨナラ2ラン。手荒い祝福でずぶ濡れになって上がったお立ち台ではどんな質問にも「最高です！」と3度も繰り返し、その後に感謝の言葉を語った。

　「打った瞬間は外野フライと思ったけど皆さんの声援とともにスタンドにいきました」

　今季はここまで94試合で打率・226、7本塁打、29打点と苦しむ。21年に打点王、22年に最多安打のタイトルを獲得。大きな期待を背負う中で2月の沖縄春季キャンプでアクシデントに見舞われた。練習中に左肩周辺の筋肉を肉離れ。当初は開幕までに完治すると見込んで練習を続けたが、回復は遅れた。そのまま開幕。「かばいながら振っていたらスイングがおかしくなった。チームに迷惑をかけるぐらいなら試合に出ない方がいいんじゃないか、というネガティブな考えになった」と振り返る。

　開幕から打率は1割台で低空飛行。7月6日に出場選手登録を抹消された。5年ぶりの2軍生活。そこで大切なことに気がついた。1軍を目指して必死に汗を流す若手と接して「（1軍で）野球をやりたい、という気持ちを感じた。それを知ったら変なプレーはできない」と前向きに。気温の上昇とともに患部のコンディションも上向く。2軍戦は17試合で打率・313、3本塁打、13打点。8月11日に1軍に復帰した。

　チームは10、14年に並ぶ球団最多タイのシーズン8度目のサヨナラ勝利。4位ながら2位のロッテ、ソフトバンクと3チームが1ゲーム差でひしめく大混戦だ。島内も「この1勝は大きい」と前を向く。残り10試合。苦しんだ分、最後は笑顔で終わると決めている。（重光　晋太郎）

　≪球団最多タイ3本目≫楽天が島内の本塁打で今季8度目のサヨナラ勝ち。シーズン8度のサヨナラ勝利は10、14年に並ぶ球団最多タイ。サヨナラ本塁打は6月8日阪神戦の小深田、8月30日西武戦の浅村に次ぐ今季3本目で、こちらも14年（ジョーンズ2、松井1）に並ぶ球団最多タイ。1シーズンに3人がサヨナラ弾をマークしたのは球団史上初めてだ。