オリックスのドラフト1位・曽谷 プロ初勝利に「ホッとしている」 中嶋監督も賛辞「ナイスピッチング」

2023年10月10日 05:45

野球

オリックスのドラフト1位・曽谷 プロ初勝利に「ホッとしている」 中嶋監督も賛辞「ナイスピッチング」
<オ・ソ>プロ初勝利をあげウイニングボールを手に笑顔の曽谷(撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   オリックス4ー1ソフトバンク ( 2023年10月9日    京セラD )】 悔し涙を笑顔に変えた。オリックスのドラフト1位・曽谷がプロ入り最長の6回を1安打無失点。2位確保を狙うソフトバンク打線に最速151キロ直球で力勝負を挑み、7度目の先発となったシーズン最終戦で待望のプロ初勝利を手に入れた。
 「ホッとしている。苦しいことばかりで、うまくいかないことの方が多かったので。最後にこうやって勝てたことが一番良かった。(記念球は)ベタに両親にわたしたい」

 長くつらい道のりだった。9月18日の楽天戦では3回までに5点の援護点をもらいながら、4回に連打で3点を失って降板。前回9月25日の西武戦でも2点優勢の4回に3連続四球をきっかけに逆転を許し、5回3失点で降板後、ベンチで大粒の涙を流した。「正直、プレッシャーしかなかった。期待に応えないといけないと自分の中でレッテルを貼ってしまっていた」

 その様子をスタンドから見ていた父・博一さん(50)は衝撃を受けた。「人目をはばからずに泣いている姿を初めて見ました」。試合後に心配してLINEで励ますと息子から「切り替え、己に負けるな!」と力強い返信があったという。

 この日も1点優勢で迎えた4回に2死から柳田に初安打を許した。続く近藤もカウント3―1と追い込まれたが、こん身の内角直球で左飛。打率2位につける強打者を封じ、頓宮の初の首位打者獲得を決定的にした。

 チームは96年以来27年ぶりのパ・リーグ全球団に勝ち越しての完全優勝。ポストシーズンへ向けても期待が膨らむ活躍に、中嶋監督も「いやあ、良かったですね。こっちがほっとしました。ナイスピッチング」と賛辞を贈った。(中澤 智晴)

 ◇曽谷 龍平(そたに・りゅうへい)2000年(平12)11月30日生まれ、奈良県出身の22歳。秋田・明桜(現ノースアジア大明桜)では、2年夏に山口(ロッテ)とともに甲子園出場。白鴎大では4年春の松本大戦でノーヒットノーラン達成。22年ドラフト1位でオリックス入り。1メートル82、80キロ。左投げ左打ち。

 ○…曽谷の家族にとっても待ちに待った初勝利だ。この日も父・博一さん、母・香織さん、祖父・博さん、祖母・美千代さんが球場に駆けつけ、声援を送った。6月7日巨人戦でのプロ初先発から、登板試合は敵地も含めて全て球場に足を運んでいた父・博一さんは「うれしいの一言。本人はかなり焦りがあったと思いますが、最後の最後にチャンスを与えてくださった首脳陣の皆さまに感謝。今シーズン中に1勝できて本当に良かった」と喜びをかみしめた。

 ○…ドラフト1位新人の曽谷(オ)が6回無失点でプロ初勝利。シーズン最終戦でドラフト1位投手がプロ初勝利は、68年10月15日中日戦の小谷正勝(大洋)、84年10月10日大洋戦の川端順(広)に次いで3人目。先発では4失点完投勝利の小谷以来2人目で、パ・リーグでは曽谷が初めて。

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