地区シリーズで上位シードチームが本拠地で2勝6敗、現行のプレーオフフォーマットは公平なのか?

2023年10月10日 14:31

野球

地区シリーズで上位シードチームが本拠地で2勝6敗、現行のプレーオフフォーマットは公平なのか?
地区優勝を決め、シャンパンファイトで喜びを爆発させる藤浪(左端)らオリオールズナイン(AP) Photo By AP
 メジャーのポストシーズンで、上位シードチームが苦戦している。
 ア・リーグ第1シード藤浪晋太郎のオリオールズはホームで第5シードのレンジャーズに連敗。ナ・リーグ第2シードのドジャースも第6シードのダイヤモンドバックスに連敗を喫し、早くも崖っぷちに立たされた。

 現行の各リーグ6チーム、ワイルドカードシリーズから始まるポストシーズンのフォーマットは昨季からだが、22年も、地区シリーズでアストロズとヤンキースは生き残り、ナ・リーグの第1シードのドジャースと第2シードのブレーブスは敗退した。

 MLBは公式戦で成績が良かった2チームがポストシーズンでアドバンテージが得られるように、第1ラウンドは不戦勝とし、地区シリーズではホームフィールドアドバンテージを得られるようにしているが、狙い通りにはいかない。

 例えば不戦勝になることで、チームは選手が休養を取り、ケガを癒やし、地区シリーズでベストのローテーションを組めるはずだが、結果に結びつかない。むしろ公式戦が終わってから、地区シリーズまで5日間も開くために、すぐにエンジンがかからない。

 一方でワイルドカードを戦い、制したチームは、その勢いのまま臨んでくる。休むより、戦い続けた方が有利に見える。

 加えてポストシーズンの試合では、ホームフィールドアドバンテージは必ずしも有効だとは言えない。今年のワイルドカードシリーズ、レイズもブルワーズも本拠地であっさり連敗を喫した。

 地区シリーズもここまでホームチームが2勝6敗だ。公式戦104勝でポストシーズンでも優勝候補筆頭に上がるブレーブスも、1年前101勝しながら、87勝のフィリーズに地区シリーズで1-3で敗退した。今年も同じ組み合わせになり、9日(日本時間10日)は逆転勝ちで1勝1敗のタイとしたが、5回までは0-4と、2連敗しそうだった。

 どうすれば、上位シードチームがアドバンテージを持って戦えるようになるのか?スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は「簡単な答えはない」と書く。プロ野球は毎日プレーするスポーツ。開幕後、5日間も試合が開いたことは一度もなく(オールスターブレイクは4日間)、明らかに長すぎる。ブレーブス、ドジャーズ、オリオールズは中5日の間にファンをスタンドに入れてシミュレートゲームを行ったが、本番とは全く違う。

 元ブレーブスのエース、ジョン・スモルツはTV中継の解説で、ワイルドカードシリーズ第3戦から地区シリーズ第1戦の間の休みを失くせばどうだろうと提案した。しかしそのためには移動を考えると、第3戦はナイトゲームではなくデーゲームで行う必要があり、TV局が反対する。あるいは日本のファイナルステージのように、上位球団にあらかじめ1勝のアドバンテージを与えるアイデアもあるが、その場合は、中継試合が減り、リーグの収益も減る。

 そのためローゼンタール記者は「簡単な答えはない」としている。

 22年のドジャースは最多の111勝をしながら、地区シリーズであっさり敗れた。今季も両リーグ公式戦最多勝のブレーブスとオリオールズが劣勢に追い込まれている。公式戦で強かったチームがポストシーズンでも勝ち進めるようにするためには、どうすれば良いのだろうか?

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