伊東勤氏 由伸のフォーク読んだ阪神・輝の二盗 立ち上がりから多投で“奇襲”ハマった
2023年10月29日 05:30
野球
根拠はこの試合、立ち上がりから山本が初球の入り球にフォークを多く使っていたからだ。曲がり球のカーブでストライクが取れなかったのもあるが、勝負どころになるとフォーク、フォーク。そのフォークも右打者の内角にシュート気味に落ちるなど、制御できていなかった。阪神ベンチはノイジーの打席で「初球からフォークが来る」と読み切って仕掛けたと思う。ヒットや進塁打になれば御の字。仮に空振りしても、投球がワンバウンドになったり、送球が遅れて盗塁が成功する確率は高い。それがものの見事にはまり、盗塁に成功した。
ノイジーは3球目のフォークを強振せず、右方向への飛球で佐藤輝は三進。1死三塁と好機を広げ、渡辺諒の中前打で先制した。今年の阪神はこういう効率のいい攻撃が強みだ。木浪、近本は直球をはじき返した。山本の直球は高さもコースも甘いし、切れもなかった。フォークは多投しすぎると握力が落ち、抜け球が出やすくなる。5回の山本はフォーク多投のツケで、一気に崩れたといえる。
村上は最高の出来というわけではなかったが、制球がいい本来のピッチングはできていた。初の日本シリーズで緊張はあっただろうが、怖さがないオリックスのスタメンを見たときに少し余裕のようなものを感じたと思う。短期決戦に強い杉本がいない。森以外に一発を警戒しなければいけない打者もいない。
初回から4回まで12人の打者に対して投げた初球は全てストライク。常に主導権を握る投球ができていた。5回は先頭の森に初球を二塁打された。1死後、しぶとい打撃の紅林には警戒して初球をボールから入って四球。この試合唯一と言っていい1死一、二塁のピンチを迎えた。
ゴンザレスにはフォークを軸にスローカーブ、直球を駆使した。7球ファウルで粘られながら10球目に直球で詰まらせて二飛。投げ間違いをしない、ストライクゾーンで攻め続ける村上らしい投球でヤマを越えた。100球で7回無失点。次回の先発へ向け、不安を一つも感じさせないシリーズ初勝利だった。
阪神にとってこの1勝は大きい。一番警戒していたのは山本。初戦で完璧に抑えられれば流れは悪くなる。それが山本を打ち砕いただけでなく、近本、中野で6安打。佐藤輝にも1本が出て木浪、坂本もいい仕事をした。3三振していた森下にも9回に安打が出た。打線に関してはシーズンと同じ攻撃力を発揮できる状態にある。
一方、オリックスは第2戦に負けられなくなった。中嶋監督はできればホームの京セラで2つ取りたかったはず。2連勝をもくろんでCSとは順番を変えて宮城を2つ目に持ってきた。宮城には1勝1敗に戻し、阪神打線の勢いも止めてほしい。第3戦から甲子園に移り、DHが使えなくなる。5番に入っている頓宮は足の状態が悪ければ代打でしか使えず、杉本の出場も難しいだろう。そうなると得点力はさらに落ち込む。甲子園での厳しい戦いを想定すると第2戦はどうしても落とせない。オリックスにとって、第2戦がシリーズの命運を左右する重要なゲームになる。
≪今季成功率は5割台≫佐藤輝(神)のプロ入り以来のレギュラーシーズン盗塁成績を見ると
年盗塁―失敗 成功率
21 6―2 ・750
22 11―3 ・786
23 7―5 ・583
と過去2年は7割台だったが、今季は5割台と失敗が多かった。
≪ともに四球は1≫第1戦は抜群の制球力を誇る両先発の顔合わせとなった。7回無失点で投げ勝った村上(神)が与えた四球は1つ。5回2/3で7失点を喫した山本(オ)も1四球だった。レギュラーシーズンでは、村上が与四球率0.94で両リーグ3位。15与四球は東(D)と並ぶ同最少を記録した。ストライク率は山本が同3位、村上が6位タイだった。
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