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関西シリーズ【男たちのプライド】「あがけよ」岡田監督の言葉胸に大舞台に戻ってきたオリックス・T―岡田

2023年10月29日 05:15

野球

関西シリーズ【男たちのプライド】「あがけよ」岡田監督の言葉胸に大舞台に戻ってきたオリックス・T―岡田
2010年、西武戦でT-岡田(左)に耳打ちして代打に送り出すオリックス・岡田監督。その後に決勝満塁本塁打が生まれた
 【SMBC日本シリーズ2023第1戦   阪神8ー0オリックス ( 2023年10月28日    京セラD )】 大一番に強い思いを抱く男たちがいる。戦わなければいけない理由もある。59年ぶりの「関西シリーズ」。全力で挑む胸中に迫った。
 恩師・岡田監督と相まみえる大舞台。試合前のセレモニーでT―岡田は背筋を伸ばして国歌を歌った。

 「僕のプロ野球人生を切り開いてくれた人。恩師の一人です。我慢して使ってくださったから今がある」

 09年にオリックス監督に就任した岡田監督は「同じ名前やからなぁ」と若き大砲・岡田貴弘の登録名変更を提案した。球団は登録名を公募し、ファン感謝デーで「T―岡田」が発表された。「今日からTやな。成績がついてこんと、覚えてもらわれへんしな」と徹底的に打ち込ませた。

 翌10年に素質が開花。33本塁打を放って22歳で本塁打王。忘れもしないのは9月の西武戦だ。肉離れで先発を外れ、8回2死満塁での代打起用に応えて本塁打。「打っても走らんでええから」の言葉で送り出され、ひと振りにだけ集中できた。

 オリックス監督時代の12年に「本日より休養」の紙一枚で解任通告を受けた岡田監督にとっても、思い出の選手。今春も「あがけよ」と伝えた。その言葉を支えに酷暑の2軍暮らしにも耐えた。18年目の35歳。第1戦はベンチ入りし、出番はなかった。レギュラーシーズンでの本塁打は14年連続で途切れても、シリーズの舞台に戻ってきた。(鈴木 光)

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