高校に続き大学も!!慶応イヤーだ、兄弟日本一 「不思議な投手」2年生・外丸が完封

2023年11月21日 05:15

野球

高校に続き大学も!!慶応イヤーだ、兄弟日本一 「不思議な投手」2年生・外丸が完封
<青学大・慶大>日本一を果たし歓喜する慶大ナイン(撮影・木村 揚輔)  Photo By スポニチ
 【明治神宮大会最終日・大学の部決勝   慶大2―0青学大 ( 2023年11月20日    神宮 )】 高校、大学で決勝が行われ、大学の部では慶大が青学大を2―0で破って19年以来4年ぶり、大会2位タイとなる5度目の優勝を決めた。最速149キロ右腕・外丸東真(あづま)投手(2年)が被安打5で完封勝利。今大会は計2試合、16回を無失点でチームを頂点まで導いた。高校の部は星稜が作新学院を3―1で下し91年以来、32年ぶり3度目の優勝を決めた。
 若き血はたぎっていた。9回2死、外丸はスライダーで27個目のアウトを空振り三振で奪い「V」のように両腕を突き上げた。最後は3者連続三振。「最高でーす!」。試合後の場内インタビューでは感情が爆発した。

 「来秋ドラ1候補」のスラッガー・佐々木、西川らが並ぶ強力打線を5安打完封。最速は143キロで直球のほとんどが130キロ台後半。それでもゼロを並べ、堀井哲也監督は「不思議な投手」と表現する。

 直球と同じ軌道から変化するスライダー、ツーシームでコーナーを突いた。116球の熱投で今夏の甲子園で優勝した慶応(神奈川)に続く「兄弟V」に導いた。

 外丸なしに「慶応イヤー」の完結はなかった。今秋リーグ戦は無傷の6勝。今大会は2試合で計16回を無失点で2勝を挙げ優勝投手となった。前橋育英(群馬)時代は3年夏に甲子園出場を果たしたが、野球部から超難関として有名な慶大に進学した生徒は「一人もいなかった」という。

 外丸が受験した前年の20年は中京大中京の逸材・高橋宏斗(現中日)がAO入試に不合格。その年の「ドラ1」ですら受からず、堀井監督は「甲子園クラスで受けてくれる子はいないんじゃないか…」と心配したが「大学での日本一」を志していた外丸は挑んだ。

 最大の“障壁”は教授が相手の40分間の面接。外丸は「ケガ予防の研究」をテーマに「前兆を感知することが未然にケガを防ぐすべ」と熱弁し合格を手にした。

 この秋、80回1/3で1004球を投げても肩、肘に異常はない。「面接」で語った感知とストレッチなど入念なケアが秘訣(ひけつ)だ。プロ入りを目指す2年生右腕は「まだ先がある。この経験を生かしたい」と未来を見据える。

 試合後、ナインは大応援団とともに「若き血」を熱唱した。しゃく熱の陽光が降り注いでいた夏の甲子園に続き、爽やかな秋晴れとなった神宮にも歌声が響いた。(柳内 遼平)

 ◇外丸 東真(そとまる・あづま)2004年(平16)2月22日生まれ、前橋市出身の19歳。小3から野球を始め、桂萱中では軟式野球部に所属。前橋育英では3年夏に甲子園出場。慶大では1年春からリーグ戦デビューし、通算30試合で11勝6敗、防御率1.99。遠投100メートル。50メートル走6秒3。1メートル73、75キロ。右投げ右打ち。

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