広島ドラ3・滝田 昨年急逝した母のお墓を契約金で建てる孝行息子 「生涯カープ宣言」でチーム孝行も確実

2023年11月21日 07:00

野球

広島ドラ3・滝田 昨年急逝した母のお墓を契約金で建てる孝行息子 「生涯カープ宣言」でチーム孝行も確実
生涯カープ宣言の滝田(左は近藤スカウト)(撮影・竹内敦子)  Photo By スポニチ
 広島からドラフト3位指名された星槎道都大・滝田一希投手(21)が20日、札幌市内のホテルで契約金5000万円、年俸1000万円で仮契約した。最速153キロ左腕として期待され、さっそく“生涯カープ宣言”。早期の1軍デビューと長く活躍し続けることを誓った。
 仮契約を終えた滝田は、真っすぐな視線で誓いの言葉を口に出した。「一番高く評価していただいた球団で評価に見合う活躍をしたい。その球団で生涯野球を終える、という目標ができた」。まだ正式な入団発表も終えていない中での“生涯カープ宣言”だった。

 ドラフト指名を受けてから、ずっと考えてきたという。自分を評価してくれた球団に「恩返しできれば」の言葉にうそはない。生命線は最速153キロの直球とチェンジアップ。現在取り組むツーシームも来春キャンプまでに完成させ、広島の勝利、優勝のために腕を振る覚悟を決めた。

 契約金を使って昨年5月に急逝した母・美智子さんのお墓を建てると決めている。遺骨は現在、地元の北海道黒松内町の寺に安置。「母は一軒家がほしいと言っていた。母の好みのような感じにしたい」。交渉には姉・優衣さん(27)が同席した。美智子さん亡き後、一時は野球を辞めようとまで落ち込んだ滝田を支え、「信じられないのと凄いなと。やりたいことを努力した結果を認めてもらえたのは尊敬しています」と弟の晴れ姿に笑顔を浮かべた。

 今月上旬、寿都高卒業まで18年間を過ごした黒松内町を訪れた。出身の中学校をはじめ、迎えてくれた人には笑顔と涙があった。「自分と同じ境遇の人を元気づけられたのかなと思った。活躍しないと…と思った」。プロの世界でやるべきことを再確認した。
 同じ日に明治神宮大会決勝で登板した最速155キロ右腕のドラフト1位・常広羽也斗(青山学院大)、同じ左腕で同2位・高太一(大商大)とともに上位指名3人が大学生投手。赤ヘルの次代を担う即戦力候補だ。「早く1軍で投げている姿を見せたい」。北の大地で育まれた真っすぐな21歳の道産子には、プロでの第1球を届けたい人がたくさんいる。 (竹内 敦子)

 ◇滝田 一希(たきた・かずき)2001年(平13)12月28日生まれ、北海道黒松内町出身の21歳。黒松内小3年で野球を始め、寿都では連合チームも経験し、3年時に主将兼エースで1番打者。甲子園出場経験はなし。星槎道都大では1年秋に中継ぎで公式戦デビュー。今春の全日本大学選手権出場。1メートル83、77キロ。左投げ左打ち。

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